ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

大川興業第42回本公演 暗闇演劇「イヤホン」@ザ・スズナリ(9/21夜)

 だいぶ時間が経ってしまったけどメモ程度でも残しておくことが大事だなって…思うので…すでにもう、若干遠い記憶になりつつあるけど(笑)。

 何となく目に入って興味はあって、でもそのままになっていた「暗闇演劇」というものを観て…じゃないね、聴いて?きました。完全暗転の中で2時間のお芝居を見えないけど観る、暗闇の舞台上では俳優たちが気配と足音と物音と声のみを立てて演技をしている、けど基本暗闇で何も見えない、という。完全な暗闇って、そーんなに体験したことないけど直島の南寺とかはとても…面白いというか、興味深いなぁと思っていて。本能的、生物的、身体的な反応とか、精神的な変化があるのかないのかとか、そういう自分の反応も含めて、なーんか気になるんだよね暗闇。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」も行ってみたいと思いながら数年経ってしまった…いつか行きたい。また開催されないかな…。

 そんな暗闇演劇、スズナリで真っ暗闇って時点で若干怖い(笑)んだけど、でも実際はわたしは恐怖感は全然なかったなー。入口で非常用のペンライトと、フックタイプの片耳イヤホンが付いた小型受信機を手渡され、着席。観(え)ないから席はどこでもいいなって思いました(笑)。でも気配とかはちゃんとあるから、前は前で臨場感あるのかな…スズナリサイズならどこでも臨場感あるけど…。

 全然知らなかったのですが、大川興業はこの「暗闇演劇」の演出支援法を特許取得していて、暗闇演劇自体定期的に上演されているそうで。今回の「イヤホン」は再演のようでした。暗闇演劇上演中の小劇場が、テロリストに占拠され、暗闇のまま閉じ込められ人質となる演者と観客…というなかなか刺激的なストーリーでした。で、配られたイヤホンが唯一、外界と繋がっていて、刑事と無線で会話できる、刑事の声がイヤホンから聞こえる、という。

 …って聞くと結構サスペンス展開を期待しますよね! わたしも期待した!! けどそういう話にならなかったというか…わりとぼんやり良い話方向に流れていったというか…ちょっと期待していた話と違った…。暗闇ならではの仕掛けというか、トリックもあったけど、まぁわかる(けどそれが演出上の都合なのかトリックなのか判別がなかなかつかない)し、あと初日だったせいもあると思うけど芝居が荒いな…と思ってしまった…作品の展開的にドタバタするのとは別のバタついている感が、暗闇で音しか聞こえない分よけいに伝わってくるというか…ごまかしが利かないというか…ううーん…。イヤホンも期待していたほどの活躍はなくて、別にイヤホンじゃなくても良くない?って思ってしまった。あと結局テロリストどうなったの…デモクラシーテロってなんだったの…サスペンス的な満足を求めてしまったのでその点は全然すっきりしなかった(笑)。あと何か認識がいろいろ古臭いなって思った…のは再演だからなかな…初演は何年なんだろう、でも暗闇演劇自体2000年代のだから初演が80年代ってこともなかろうし…*1

 と、あんまりこう、芝居としては諸手を挙げておっもしろかったー!!という感想にはならなかったのですが、でも体験としてはなかなか興味深く面白い体験ができました。面白かった回もあったそうなので、今回はちょっとわたしには合わなかったかな。終演後、下北沢の街がとてもとても明るく感じられました。やはり暗闇、興味深い。

www.kurayami.info

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*1:何か認識が80年代から更新されていないのかな?って感じだったの