ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「SONAR」@赤レンガ倉庫1号館3階ホール(9/28)

 前楽公演行ってきました…えっ前楽…そっか…ほんとあっという間だな…。

 今日は久々に天気も良くて、空気も爽やかで、無事初日を迎えたオクトーバーフェストも盛り上がっていましたよ。思ったよりアルコールくさくなかった(笑)。どちらかというと美味しい匂いが漂っていた…明日から天気がまた崩れるようなので、せっかくのお外ビールもちょっと残念かな。飲まないけど。

 前楽公演でしたが、あれっちょっと待ってここそんな照明だったっけ!?って今日もなったので、きっと進化は止まることなく起きているのだと思います。もしくはわたしのお脳がいよいよ可哀想なんだな…そっちの可能性もあるな…。あと、このシーンこんなにたっぷりやってたっけ?とか、イメージがまた変わる雰囲気だったりとか…毎日違うSONARで、意外性が毎回あって、本当に面白い。ずっと観ていたい、聴いていたい、漂っていたい。60分だけどあっという間にも、ものすごく濃厚で倍くらいあったようにも、どっちにも感じるんだなー。

 雑感などを少し。

 

 

  • 僕たちのソナーが、あなたの消化を複雑化させてしまうかもしれません、とか、非常時には自分のソナーを頼らずに係員の指示に従って、とか、諸注意がいちいちクスッとなって楽しい。ちょっと緊張感漂う中をほっとさせてくれる…。
  • そんな開始前は、水族館にいるみたいな気がした。大きな水槽でこちらのことは気にもとめずに悠々と、気まぐれにターンして泳ぐ2頭のサメを見ているような。こちらも気にせず眺めてる感じとか。
  • 声を重ねるソナー、今日はとても差音が聞こえた。今までで一番聞こえた気がする…ふたつの声が重なった真ん中に別の音が生まれるの…。
  • 外周を走る時あんなに照明派手に動いてたっけ?! あれっなんかすごく華やかだな?!ってなった…けど前からかもしれない…自信はない…。
  • 雑踏の中で呼び交わすパートが長かったような。いっぱい探してた。
  • あとこれまでより大声で呼びかけていた。ちょっと怒声に近いくらい。伝わらないもどかしさとか苛立ち、焦燥や不条理感、なんかをイメージした…。何で伝わらないの?!って憤ってるような。
  • その呼びかけあう声がサンプリングされてノイズかけられたり割られたり歪められたりして、スピーカーから聞こえるのだけど、お互いに呼びかけには無反応だったのに、その音にはびくびくと反応し身体を蠢かす未來さん。生の声の時は伝わらなかった言葉が、ノイズ化され信号化されていくとまた違う振動になって伝播していく、ような…気がしてしまった。言葉の意味や声質や声色を剥奪された声、は、波形として届くのかもしれない…。
  • …ああ、空気中では伝わらない「音」が、水中ではまた違うメカニズムで伝わる、のかも。ダイバーが水中でしゃべる声とか。
  • ピピピーピピピピッ ってモールス信号みたいな音がするのも好き。
  • フロアワークでぐいぐい人をかき分けて、自由に移動するの、泳いでるみたいって思った(そして自分はとても重い水…)(水の重さは変わらないとかそういう話ではない)けど、そうやって泳ぎ着いた場所で邂逅して、息を吹き込み合うのも、酸素を分け合ってるように見えて、ずっと水中、海底にいるような気分でした。
  • レクッカラの途中から音が重なると、すごく「内臓器官」としての「organ」というイメージが浮かぶの不思議。器官であり機関。悠久の時を動き続ける永久機関。メカニカルにしてオーガニック。謎ポエム。
  • 呼吸、に関わるからオルガン(=ふいごで音を出す)と繋がりやすいのかなー。
  • あとあのレクッカラに重なる音がとても大変ハチャメチャに好みなので音源が欲しいです。重低音にレクッカラが乗ってそれが冒頭の重なる声に帰結していくの最高…ヘッドホンで聴きたい…。
  • 全体的に音がとにかく好みでサントラくださいってなる。及川さんサントラ出して下さい…。
  • エコーロケーションまた意外なところにいて面白かった。あとクリック音が未來さんとヨンさんで違うのも面白いし、まぁこれがまた良い音響かせるよね…わたしのと違うよね…。
  • ヨンさんのソロがまたアクロバティックで軽くてかっこいいんだ!! 浮く!!
  • 人波をかき分けて道を作り、駆け抜ける。あのかき分けられてる時、牧羊犬に整列させられるひつじのような気持ちになった一瞬(笑)。こっちの柵に? 入るんですか?? わかりました…って感じになる。
  • 未來さんのソロは何故だか苦しくなる。もがきのたうつようで少しせつない。求めても得られぬものにそれでも手を伸ばすような。いつも、自由で自在な、何も枷のない身体、って思ってるんだけど、何でだろうここは…なんかせつない。
  • ※個人の印象です。
  • 斜めの光の道の、対角線上で巡り会って。水族館みたいって最初に思ったけど、周囲をぐるりと動いているの、大陸を隔てた外洋、みたいにも感じて、あのホール全体が地球の表面、大陸によって分断された海を、それでも交信しながら泳ぐ、みたいに見えたら、その真ん中でふたりが出会うってすごいな…遠くからやっと出会えたね…みたいな風に思えてしまった。 
  • 年に一度クジラが集まる海、で、久しぶりに会ったら、あんな風に声を重ねるのかな、とか。
  • だから額を合わせて声を重ねるラストがとても幸せな気持ちになりました。今日は。
  • でもきっと、また分かれて、それぞれの遙かな海に戻っていくんだろうね…遠い誰かの振動を海の中から感じ取りながら、ひとりで海の底を悠々と泳ぐ日々(?)に戻るんだろうね…次にまた会う時を遠い意識の片隅に置きながらね…。