ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

Yahoo!ニュース特集「染まることを恐れるな 森山未來という『表現の化け物』」

 突然すごい記事が上がってびっくりしてしまった。

news.yahoo.co.jp


 
 すごい読み応え、なのだけど、どうにも居心地が落ちつかないというか、読んでいてもぞもぞしてしまって、何だろうこのもぞもぞする感じ、と考えてみたのですが、多分「インタビュー」と「ルポルタージュ」の違いかな、と。インタビューは読み慣れているけど、こういう記事ってあんまり…なかなかないから、視点の置き方? 距離の掴み方? 何だろう、とにかく慣れないんだ(笑)。インタビューは本人の言葉で構成される、本人発信の、なるべく本人に近い視点から語られるものだけど、ノンフィクションは筆者の方の視点で語られる対象、だから…何かちょっと不思議な感じがしてしまうんだ。でもとっても読み応えあってずっしりで嬉しいです。

 あとインタビューって大抵は、何かひとつの作品なり何なりテーマがあって、それについてをメインに話を聞くことが多いけど、こういう俯瞰でこれまでの流れを辿る、読み解く、みたいなのも珍しいから、は~なるほど~なんて改めてふむふむしてしまった…特にこの4~5年はそういわれてみれば激動なのかもしれない、後から見ると所謂ターニングポイントになるのかもしれない、からね…(笑)。

 関係者(?)が語るエピソードも面白いものばかりで、ヘドの稽古中に野宿してた話なんて聞いたことなかったよ…っていうかあの辺の話ほとんど出てきてないよねそういえば…。井上さんの震災ドキュメンタリの話は、あーですよねーって感じだし、「踊る阿呆」に至った顛末がそんなだったなんて井上さん側からじゃないと出てこない話だよなぁ。

 写真に添えられたキャプションが思いの外情報量多くて、それもまた面白いです。長谷川教授のお話とか、赤レンガ倉庫1号館館長さんのコメントとか、エラさんの未來さん評とか、未來さんの身体に関する言葉とか、短いけどずっしり。

 そういえば、この間ふと、10年くらい前の未來さんの言葉を見返す機会があって、その時に未来の自分のイメージを「こうありたい、というイメージがあったとしても、それとは全然違うところにいたい」と云っていて*1、今聞くとものすっごくそれを実感しているというか実証しているというか体現しているというかその通りだ!!って感動してしまうというか(笑)、まさか10年後こうなっているとは、こんなことをしているとは、少なくともわたしは欠片も思っていなかったし、今こうなっていることがとても喜ばしいし、有言実行ちゃんとしてる!と嬉しくもなりました。破壊したい衝動と生み出したい衝動が常に自分の中で拮抗している状態だけど、結局は自分のやりたいようにやるしかない、なんてこともその頃云っていて、破壊衝動は少し形を変えている印象も感じるけど、根本的なところは変わってないというか、揺らいでいないなぁと今回の記事を読んで改めて思うのです。よりフレキシブルになった感じはあるけどね、自分が変わることに少しの恐れも抱いていないというか、むしろ楽しみにしている感じがね…自分にない部分はことさら眩しく感じるものです…。何色にでも染まれるし、何色でもない色を発することもできるよね。

 工具の前の写真が素敵なんだけど、これは撮りおろしなのかな。何のアトリエなのかな。

*1:2007年3月のJ-Wave「Boom Town」