ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

Eテレ「100分 de 名著」第3回

 今回は何だか楽しかった! 未來さんの朗読、もう「朗読」じゃないよね、ドラマだよね。芝居だよね。楽しいなぁ…中也さんの人生的にも、今回はそんなにこう…悲劇的でない部分だったから、詩もとても何というか、寂寥感や哀しみは常にあるんだけど、「生い立ちの歌」は悲しくて寒々しいのだけど、諦念の向こうにあるどこかさっぱりした印象を受けるのです。あと個人的に、単純にリズムの良いものは好きです。七五調とかね(笑)。

 「月夜の浜辺」も7音のリズムが楽しいし未來さんの朗読がまた「わけでもないが」の作為的な感じとか、たまらない(笑)。演技パートもあるんですね…いつもあるのかな…伊集院さんにも一言云わずにいられないこの朗読ありがとうございますありがとうございます…。「ボタンのアウェー感」っていうの面白いなぁ。わたしはとても単純に、ボタンは綺麗なものなので、ちっぽけだけどちょっと綺麗なものが落ちていて、拾って、捨てられなくて、っていう…ちょっといいもの感がどうしてもあるなぁイメージとして。

 で、「サーカス」、この…サーカス感…たまらん…口上っぽい芝居がかった感じ最高です…もうシルクハットに蝶ネクタイ燕尾服にカイゼル髭のそれはそれは胡散臭いサーカス団長が、華やかに見えて良く見るとほころびだらけのストライプのテントが、綺麗な衣装だけど身の上は悲しいブランコ乗りが、見える、見えるぞ…! 「楽しいけど悲しい」んじゃないんだよサーカスにはそもそも哀しみが満ちているんだよ…という非常に個人的な先入観で大好きです。オノマトペ、すごいよねギリッギリを攻めてるよね…そしてどんぴしゃだよね…それこそ音のブランコ乗りだよね…。「銘辞以前」なるほどねぇ。言葉で名前を付けることによって、純度が下がるというか、ひとつの枠に嵌めることによって、微細なブレとか、にじみとか、そこからはみ出したものは消えてしまうものね。伊集院さんの「スマフ」とてもわかる…これもどんぴしゃに入ってるやつ(笑)。

 「骨」これもー! またー! 一篇の詩は一幕の芝居ー!! これとてもペシミスティックに聞こえるのも確かなんだけど、死のイメージも色濃いのだけど、でも骨ってものすごく清潔で純粋で綺麗なもの、っていうイメージがあるので、そんなに暗く聞こえないんだな~。砂漠の砂をこの世で最も清潔って云ったロレンス*1を思い出してしまう。わたしにとっては、ね。あと、おしたし、なのね(笑)。

 来週で最後ですが、またつらそうな…つらいな…夭折だしな…楽しみではあるのだけどな…。

*1:アラビアの