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ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

東京国際映画祭「怒り」ティーチイン(10/30夜)

 未來さんの登壇を知った時には既に完売していたTIFFの「怒り」上映、毎日完売の×マークを眺めながら、それでも未練がましく販売ページにリロードをかけては、やっぱりないよなぁもう無理だよなぁ、とため息をつく日々だったのが、3日前の夕方何気なくリロードすると、△のマークが。え? どういうこと?と思いながら中に入ると、隅っこの2席が空席マークに。え?? どういうこと??と首を捻りながら確保して先に進むと、お会計ページに。え??? どういうこと??? 買えるのこれ???と半信半疑のまま決済まで済ませて、…取れた…の…?とまだ首を捻る(笑)。そんな、偶然と執念とタイミングの奇跡的な一致で、行けることになったティーチインでした。良くまぁ取れたもんだ。ちょうど、田中さんについて熱く語り合っていたLさんをお誘いして、夜の六本木に1週間ぶりに降り立ちましたよ。

 上映後のティーチイン、しかも公開からずいぶん経ってから、と今回はネタバレ全開を期待して行きましたが、全開だった(笑)。終了後に外を歩いていたら、カメラを担いだスタッフらしき男性が「これどうかな~」「書き難いよな~一応まだ公開してるし」なんて云い合いながら歩いてらして、そっか、まだ公開はしてるもんね、なんて思ったり。まぁでも、そろそろ…いいですよね(笑)。

 映画の方も、今回で3回目になったけど、またちょこっと新たに感じたことが出てきたりもして、観られて良かった。それにしても、やっぱり、田中さん…好きだ…抗えない自信がとてもある…(笑)。

 一応ネタバレなので畳みます。映画のちょこっともちょこっと書いておく。今回メモ取らなかったので、うろ覚え&要点のみですが。きっとそのうち動画がどこかにアップされる…はず…。

 


 まず映画の方から。ほんとにちっちゃいことなのだけど、最後の星島での辰哉くんと田中さんのやりとりで、あんなになりながらも辰哉くんを抱きしめて「俺はお前の味方だから」と云う田中さんを観て、ああ、この人は「お前は俺の味方でいてくれ」って云ってるんだ、と思いました。懇願みたいに聞こえた。あんなことになって、あんな醜態さらけて、もう正常な状態でいられていない田中さんの、最後の拠り所が辰哉くんだったのかな、と。結局、その辰哉くんに刺されるのだけど、とても今回観ていて、やっと田中さんが、その身の内に抱え込んで吐き出す先が見つけられない絶望的に強大な「怒り」を解き放つことができた、ある意味解放感みたいなものを感じてしまった。その為に辰哉くんが背負うことになったものの重さはあまりにも大きいのだけど、少なくとも田中さんがこれ以上、腹の底に少しずつ溜め込んで、もういっぱいいっぱいになって溢れかけていた怒りを、抱え続けなくて良くなったんだね、という、ある種の救いになったのではないかと。田中さん自身がこれで救われたとか、良かったんだとか、思っているかどうかはわからないけど、とりあえずわたしは、ちょっとだけど、これで良かったんだ、田中さんはこれ以上苦しまなくて済むんだ、と思いました。その代わり、田中さんの分の怒りと苦しみを、辰哉くん(と泉ちゃん)が背負うことになってはしまうのだけど…。

 そんなこんなで上映終了後、椅子が3脚前方に並べられて、パネルも配置され、ティーチインの準備が始まりまして。面白かったのが、本編上映時も英語字幕付きだったんだけど、準備中に「英語の同時通訳が必要な方いらっしゃいますか?」的質問を会場にしていて、10名くらいが手を挙げてらして、そっかー国際映画祭だもんね!と。結局、同時通訳が入りました。すごいねぇぱらぱらっと訳していくもんねぇ。でもちょっとだけテンポは悪くなっちゃうよね…仕方ない。

 同時通訳も入って、司会の方が早速監督と未來さんを呼び込んで、トークスタートです。

  • まず李監督、次に未來さん、とひとりずつ呼び込まれて拍手で迎える。写真も上がっているけど、未來さんは紺地に白い大きな水玉模様のビッグシルエット気味なトップスに、白っぽいボトム、黒の大判ストールをぐるっと巻きつけていました。
  • 髪が! ちょんまげ再びで! でも長さ足りなくて、トップでひとつ、下でひとつの2段ちょんまげでした。下に届かない耳横辺りの髪はピン2本で押さえてた。お顔がすっきり見えて嬉しい気持ちと、はえぎわ…って思う気持ちと、半々(笑)。
  • 向かって右から司会の方、未來さん、李監督の順に座ってトークスタート。
  • 未來さんに開口一番、「森山さん! 犯人ですね!」と司会の方が(笑)。それに「はい! 犯人です!」と。やっと云えたねー!
  • これまでいろんなインタビューとか取材とか受けてきたけど、何も云えなさ過ぎて…ともどかしそうにしてました。ぶっちゃけよう。
  • 質疑の合間にいちいち英語通訳が入って、自分の受け答えが通訳さんに英語にされるのをすごく興味深そうに聞いてた未來さん。そうなるのかーなるほどーみたいに笑ったりしていました。
  • 3つのパートはそれぞれ撮りきりで撮影した、とか。編集する前は4時間くらいあったそうです。最初から使わないつもりのシーンでも、使わないことは役者さんには内緒で、「行間」も全部撮影していた、と。3本の映画を撮るようなものですね、と司会の方に云われていました。
  • 田中を演じるに辺り、実際に無人島で生活をしてみたりの未來さん。那覇で日雇いの仕事を見てみようとしたけど、本当に素性の知れない人が集まって危ないからって止められた、とか。これあれですよね、止められてなければやってたよね(笑)。
  • どこかで、司会の方に何か質問された答えが「…ねぇ!(笑)」(同意を求めるような)だったのが可愛かったんだけど何て訊かれた時だったかな。
  • 犯人であることを意識して演じていたか?という問いには、「それは…しますよね」と。
  • 田中をただの気ち○い、狂人と思う人もいるかもしれない。でも演じた自分は、彼をただ頭のおかしい人間とは思いたくなかった、とか。
  • 田中は1年以上逃亡生活を続けていて、その中でただひたすらじっと穴の中に身を潜めているわけにはいかない。生を謳歌しなければいけないし、どういう日々を重ねて、自分の中で自分をどう救ってやるかという考えにならないと逃亡生活はできないので、と。
  • 沖縄という場所の持つオープンな空気と闇の部分が、無人島の解放感と逃げ場のない崖っぷち感と響きあっているかも知れない、とも。
  • 逃亡先に無人島を選んだ田中について、そこを選ぶこと自体が田中の破綻している部分、とか。那覇の街中の方が絶対的に安全なのは明らかなのに、その判断が正常にできないところが、田中の壊れているところ、と。
  • 田中の精神状態を「ゴムのように伸びきっている」と表現していたのが印象的だった。ずっと張り詰めっぱなしだと伸びちゃうよね…。
  • 犯人探しのミステリーとして作品を作ったのか?という問いに対しては、そもそも原作小説を書かれた吉田さんも、途中まで犯人が誰なのか決めずに書かれたそうで、と李監督。そこから発している話ではない。
  • ただ、沖縄に犯人がいる必然性もある、と。あまり沖縄の話に近づきすぎると、歴史的政治的な匂いが強くなってしまうんだけど、でも日本全体を見た時に、田中のブラックホールみたいな「見えざる動機」を描くのに、東京も千葉も、沖縄も含めて、腹の奥底に怒りを抱えてる人達の存在が欠かせなかった。
  • 監督は、最初から周囲に、田中役は未來さんにと云っていたけど、実際に会ったのはイスラエルから帰ってきた後の「談ス」の時だったそうです。
  • その時未來さんに会って、確信めいたものを感じたとか、あと田中を演じるのにこの人には「自由度」を与えることが必要だと思った、と。なので、こう演じて欲しい、ということは一切云わなかった。代わりに役の人格を掘り下げる会話を積み重ねて、その上で、このシーンはどんな顔する?と任せた、とか。
  • 象徴的なのが、泉が暴行されるシーンを田中が見ている顔、というのを実は撮影していた、と。えっ! それあるとないとじゃずいぶん…印象というか…いろいろ変わってくるような…!
  • その時、こういう顔をしてほしい、こういう心境だ、という話はまったくしなかったそうです。ただ、彼女は田中にとってある種の救いであり癒しであり、それが破壊されるのを目の当たりにする居たたまれなさは確かにあって、でも同時にそれを悦びと感じる部分ももしかしたらあるかもしれない、両極なものが同時にある、という話をした、と。その上で、彼の中でどう沸騰していくか、を撮ったそうです。
  • がそれは編集でカットされた、と。おおおおお…何かすごい話を。
  • 同時通訳の方が田中の悦びを「pleasure」と訳していて、そうだよな快楽の方だよな、と納得というか、当然というか。
  • ティーチインなので質疑もある…はずだったのですが、時間が押してしまって質疑がひとつだけになってしまったのが残念。
  • その唯一の質疑が、「撮影された4時間はBlu-rayの特典とかになりますか?」で、監督の答えは「プロデューサーに訊いておきます」でした…。
  • …正直、ひとつしか訊けないならもっと他にあるだろうと思いました…。せっかく田中さんがいるのに、上映後なのに…。
  • 質問した方は海外のメディアの人っぽかった。
  • でも、4時間入れると、「カットしてごめんね」って謝罪するやつになっちゃうから…って監督が笑っていたら、未來さんが「出したいですか?!」って、ほんとは出したくないでしょう?っぽく突っ込んでたのが面白かったです。うん、見たいけど、必要じゃないからカットされたんだしね…いや見たいけどさ…。
  • そんな質疑でティーチインは終了、フォトセッションに移ります。これ、冒頭にも云われていたのですが、一般の方の「ティーチイン中の」撮影はご遠慮下さい、っていうのが。フォトセッションの時はOKですっていうのが。えっ…ほんとに…? いいの…?
  • いいんですって。
  • そう云われるなら…とスマホを取り出し、そっと撮ってみるのですが、如何せんこう…骨の髄まであのこにカメラは向けるもんじゃない的な何かが刷り込まれている身で…あの…非常に、怖かったです(笑)。
  • ほんとにいいの? ほんとに??って云いながら何枚か撮ったけど、まぁへったくそですね。遠いし。前の人の頭写りまくってるし。
  • フォトセッションの後半は、ムービーカメラがあるのでそちらに向かって手を振ってください、というお決まりのやつ。相変わらず何となく不得手そうに手を振る未來さんでした。
  • 以上で終了です、ありがとうございました、と拍手、李監督と未來さんはお辞儀。お辞儀の時に胸元に片手を当てていたのが何だかエレガントでした。

 すんごいニュアンスでしか再現できない感じでもどかしいのだけど、きっと動画が!! 上がる!! はず!! お手振りも撮ったし!! なので正確な内容はそちらをわたしも待っております。「ねぇ!」がどこだったのか確認したい…。