ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「宮崎のふたり」

 1日遅れで録画を拝見。1時間というコンパクトサイズだけどとても丁寧な作りで、ロードムービー的な趣もある、とても素敵な作品でした。詠介くん…好き…(笑)。

 柄本さん演じる幸彦が、どうにもこうにもイヤなオヤジで、いろいろな背景やこれまでの経緯が明らかになっていく中で、そうならざるを得ない、そう在らざるを得ない部分があったのはわかるのだけれど、それを理解はした上で、それでもやっぱりこの人嫌いだわ…ってなるのがちょっと、うん。「どうして俺はひとりなんだー」って嘆くのを観ながら「だからだよ…」ってなってしまって…いや、ラストは良かったんだけど! 30分くらいじんわり涙ぐんで観てたけど!! でも…ううーん好きじゃないわ幸彦さんは。奥様の方にベクトルが向いてしまうのは仕方ないよね…。とりあえず声を張れば偉いと思っている人は嫌いです。

 でも、幸彦さんが嫌い、なのを差し引いてもなお、良い作品だった…と思えるのは、っていうか幸彦さんがここまでイヤなのはひとえに柄本さんが上手いからなんだけれど(笑)、やっぱり詠介くんがしゅてきなのと、沙耶ちゃんがとってもとっても可愛いのと、奥様が素敵なのと、っていう幸彦さん以外のキャラクターがみんな愛しいからだなぁ。幸彦さんはね、同情の余地はあるけれど愛しくない…んだけど、ずるいんだなぁ最後にデレるのはずるいよね!! やなヤツってちょっとだけ良いところ見せるだけですっごく良く見えるのずるいな!!(笑)

 「宮崎のふたり」というタイトルがとても秀逸だなぁと思いました。これ、もちろんハネムーンに来たふたりを差すけれど、珍道中を繰り広げる幸彦と詠介の「ふたり」のことでもあるし、宮崎で未来を育もうとしている詠介と沙耶の「ふたり」のことでもあるよね。あと、もしかしたら、沙耶と沙耶のお母さんのことも含むかもしれないし、幸彦の奥さんと沙耶の母親、もふたりかもしれないし。いろんなふたりが、それぞれの関係性をつむいで、とても優しい空と海と緑の色を織り成している、そんな印象のドラマでした。池脇千鶴ちゃんの声、好きだなぁ可愛いなぁ。

 詠介くんは…とても…良かった……宮崎弁、わたしには上手いかどうかは全くもって判断つかないけど、いもうとちゃんの姪っ子甥っ子ちゃんたちが宮崎っ子で、「~したと?」って云ってるのがすごく可愛くて、それを思い出しながら聞いていました。タクシー運転手の制服姿がとてもシルエットが美しくて、特に立ち後ろ姿が最高ですね。さらにツナギ半脱ぎTシャツというわたし得なオマケまで本当にありがとうありがとう。あんなやぶの中半袖で入ったら切り傷だらけになりそうで心配だったけどありがとう…。左手首に腕時計、というのがやたら新鮮に感じてしまった。あとおひげずっとあったね。ログアウトしなかったね…いいですおひげあっても詠介くんのしゅてきさは減らなかったから…。

 すごくつらいものをたくさん背負っているのに、観終わった後の感想はほっこりで、悲哀や寂寥を多分に含んでいるはずなのに暗い印象にならないのも良かったなぁ。風景の美しさと柄本さんのイヤだけど根っこが真っ直ぐなところが、どんよりにならない空気感を作っていたような気がします。終わり方もとても良かった…大変な状況であることは何も変わっていないけど、笑い合えるのは良いよね…。沙耶ちゃんが三代目ジェイなんちゃらにハマらないことを祈っております。