ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

柿喰う客フェスティバル@王子小劇場

 花まる何とかってカンムリが付いたらしい王子小劇場で現在開催中の柿喰う客フェスティバル、ぼちぼち行ってきました〜。柿10周年記念として、これまでに上演された5作品の再演をぎゅぎゅっとまとめて上演しまくるフェスです。最終日は全演目を1日がかりで上演する上に1日通し券のみの販売で全プログラム観られるとかいうすごいチケットも発売されていました…惹かれたけど1日でそんなにいろいろ一気に観たら脳みそパンクしちゃう*1
 フェスティバルは6月下旬まで続きますが、わたしもまだ観劇予定が残っていますが後半なので、とりあえず先に観てきた分をちらりと記録しておきます。

「いまさらキスシーン」(6/3夜)

 玉置玲央くん一人芝居! 前から観てみたかった作品なのでリバイバル嬉しかったです。30分という小品ながら、その30分のほとんどを喋りまくり動きまくり走りまくり全身の筋肉と声帯と舌を使いまくって駆け抜ける、30分とは思えない濃厚濃密な演劇時間をと玉置玲央成分を堪能摂取させて頂きました。楽しかった! 楽しかった!っていう感想が出る内容でないことはまぁ中屋敷作品なのでご承知の通りなのですが、芝居でしか得られない体験をまさに目の当たりにして体感できるという意味では本当に、楽しかった!!しかない。小劇場というその名の通りの小さな空間で、しかも最前列だったので体育座りで、ちょっと足を伸ばしたら舞台に乗っかってしまうような距離感で、向こうの呼吸も息遣いも、こちらの身じろぎも緊張感も、同じ空気を震わせて対等にやり取りしている感覚に陥りそうな、濃密な劇空間の共有という…これぞ小劇場の醍醐味。相変わらず、具体的なセットや小道具は何もない、女子高生の身ひとつで相手役すらなしの一人芝居はほんと、30分一本勝負玉置玲央劇場でした。圧巻! 駅伝選手で東大入学を狙いつつ恋にも手を抜かない天才女子高生の駆け抜ける高校3年間、なのだけど、駆け抜け過ぎというか…駆け抜けた先はどこにたどり着くのか…その辺のぐぐっとなる感じが柿ですねたまらん。玲央くんの女子高生姿がまた何と云うか…良い。足長いなー筋肉綺麗だなースカート短いなーいろいろ見えるというか見えないというか見えるべきものが見えないというか(笑)。トゥルトゥルおみ足とか何かいろいろ堪能…しました…黒いのとか…。女子高生がそのぱんつはいいんだろうか一体。何故そうなった。いやいいけど。恵まれた体格に良く通る声、可愛い爬虫類系フェイスにものすごく動く身体能力、玉置玲央の魅力が余すところなく全開なまま蛇口開けっ放しの30分、でした。あの暗闇、ラストの終わり方もたまらないんだ…。
 終了後はアフタートークで、柿ニューフェイスのDボ牧田哲也くんと中屋敷さん、玲央くんのお三方が登場。この日が初日初回だったそうで楽しかったー!連発の玲央くんが可愛かったです…。アフタートークメモ。

  • 牧田くんから質問。すごいセリフ量だけどどうやって覚えた?→覚えるって感覚じゃなかった、ぶち込まれた。ぶち込んだ、じゃなくてぶち込まれた。中屋敷さん曰く、玲央くんは演出とかあんまりしていない、セリフを与えると勝手に身体が動く。昔の写真が残っていて、部屋の隅で中屋敷さんがパソコンの前にちんまり座ってて、玲央くんが裸でハイテンションにわーってやってる写真(笑)。ああいう感じ。
  • 稽古しながらけっこう台本に手を入れてた。それでこの前、台本をウェブで公開するのに玲央くんに確認してもらったら、手直しした箇所が反映されていなくて、でも玲央くんはここがこうなった、ここはこうだからこういう言い回しに変えた、っていうのを全部覚えていた。
  • 稽古の時はほぼ裸だった玲央くん。
  • 台本はすごく短い時間で一気に書き上がった。七味さんの一人芝居も書いてて、そっちはすごく時間がかかった。
  • お客さんからの質問1。沈黙の時間の長さは決めてる?→あれは、(今日は、だったかな?)客席から咳が聞こえたら動こうと決めていた。耐えられなくなったら(笑)。そういう、舞台上から一方的に与える表現じゃなく、双方向で作用し合うセッションみたいなのをやりたい。
  • お客さんからの質問2。足がすごく綺麗だけどどこまで剃ってる?→見えないところ全部!(って云ってたけど見えるところ、なのか見えないところまで、なのか)ただ、ハイソックスに隠れる部分(すね毛)だけある。それは「フランダースの負け犬」で男の役があるからその為に取ってある。
  • と説明しながらレッグウォーマー的なものやサルエルパンツの裾をまくりあげておみ足披露してくれる。剃刀負けの跡とか(笑)。白くてすべすべで良い筋肉ですわ。
  • 中屋敷さんも牧田さんもおひげで、それも「フランダース」の為だそうで、本当は玲央くんもひげ生やしたいんだけどキスシーンがあるからねー、って。
  • お風呂で1時間半くらいかけて全身の毛を剃るのが「キスシーン」のひよりをやる為の儀式(笑)。
  • まぁとにかく終演直後のハイテンションが抜けてない感じでとても…ふわっふわしてた(笑)。全然じっとしていないとは聞いていたけどじっとしてなさ加減がでかいのね! でもじっとしてなさが大きいからそれはもうじっとしてないというか動きまわってるからこう…逆に気にならないというか、気になるかどうかの話じゃなく動いてるというか。ゴールデンレトリーバー成犬サイズの子犬、みたいでしたよ。

 せ、す、じ、を、ぴん!と伸ばして脇をキュッて締めて心拍数の上昇、上昇を意識しながら国道4号線をひたすらに、ひたすらに走る*2天才女子高生みみどうしまひよりちゃん、その輝かしい青春に栄光あれ。この作品で一番謎なのは男前田先輩だよな…。
 しかし柿の公演は出てない俳優さんが物販とか客席案内とかに普通にいらっしゃるからちょっと何かお尋ねしたりするとあっ○○さんだった…ってなって心臓にわるいね!

「露出狂」(6/7夜)

 こちらもパルコプロデュースなどで上演されてるのを気にしつつ観られていなかったので今回嬉しく拝見。女子バージョンと男子バージョンがある作品ですが今回は女子でした。女体シェイクスピアっぽさがちょこっとあった…けど舞台上が女子だらけな部分で感じるもので、作品の内容は…もっとこう…女子ならでは(?)のドロドロだった…。これ、男子版だと全然趣というか、受ける印象が違うんじゃないかなー! セリフはほぼ変わらないそうだけど、きっと全く違う世界になる。それは「女子同士」と「男子同士」の空気感や情動や生理の差、だろうなー面白そうだなー。と男子バージョンにも興味そそられまくりです。
 女子高の名門サッカー部が勝利の為に、より強い部の結束を求めて各学年で何かいろいろ暴走しまくる、青春スポ根リビドー暴走活劇90分。すごく楽しかったしすごく笑ったんだけど大変なドロドロでした(笑)。七味さん葉丸さんのお馴染み劇団員*3と、女体で拝見したことある美人さんたちと、初めて拝見する美人さんたちと、柿ニューフェイスの可愛い子ちゃんたちが織り成す背徳の部活動3年間。何か…どうしてそうなるの…って苦笑いになりながら、そこまで極端とは行かないまでも、でもあの年頃で学校という或る意味閉鎖社会の中のさらに部活という閉鎖コミュニティで、ひとつの共通の目標があって、どうしてもそれが欲しくて、その熱が高まり過ぎると、ああいう形で暴走し始めるのは、わからなくもない…気もするんだ…。
 四天王役に劇団員を配して、2年1年に客演陣、という配役もなるほどなー。劇団員組は流石の安定感…って、今回初舞台のニューフェイス組もいるのだけど、やっぱりそれ含めても安定感がある。狂言回しというか傍観者というかなポジションのマネージャーに、女体シェイクスピア「失禁リア王」で最高のカランだった加藤紗希さんが! 今回もごちそうさまでした! あと後輩マネージャー役の松永渚さんもすごく良かった、可愛い風からやさぐれ、キレの振り幅最高でした。あとあと、手足ほっそくて可愛いくて声も可愛らしくて、でもニットベストの下のないすばでぃが隠れてないよ?って思ってた藤咲ともみさん、売れっ子グラビアアイドルさんでした…極楽シートの男性諸氏はそういうことかしら(笑)。エロカワで動きも柔らかくて華があったなー。
 そしてニューフェイスのお二人、長尾友里花嬢はクールでボーイッシュな雰囲気が役にぴったりで…涼やかでとても素敵でした。対する福井夏嬢はまたピンクのパーカーのフード被ってニーハイでボクっ子でメンヘラ感満載のなかなか大変な(笑)役どころで、それがまたとても嵌ってて凄かった。怪演。これまでにどんな方がどんな風にあの役を演じてたのか気になるくらい、あのキャラがぴったり過ぎて…可愛いのに一番怖いし彼女がある意味元凶よね…。
 アフタートークは中屋敷さん・玲央くんと出演女優陣から劇団員の4人、だったのですが、素になったらまた、ニューフェイス二人が! すげぇ! 長尾さんすっごくしっかりしててイケメン女子でかっこいいしはきはきしてるし既に頼りがいのある感じで…そして福井さんが…素でもそのまんまだった…お、面白い(笑)。声は小さくて聞こえない*4し、ずっと手指もじもじして下向いてるし、だ、だいじょうぶ…?って感じで、それを隣で通訳(笑)する長尾さんが、通訳じゃなくてコメント耳打ちしてて、云われたそのままをコメントとして云う福井さんに玲央くん「せんばきっちょーか!(笑)」って突っ込んだり。ますます面白い劇団になっています柿。あの二人を今後中屋敷さんがどう料理するのか、あと他にもまだ新メンバーいらっしゃるので、何かほんとこれからどうなるのか、楽しみで仕方ないのでありました…。
 えっと質問は、役の名前はどういう意図で付けたのか?っていうのが、特に意味はないけど厭な名前にしたかったのでゴキとかヒルとかノミとかハエとかウジとかそういうのを付けた、と中屋敷さん。初演の時に、綺麗な女優さんがいっぱいいて、キラキラしてたから、違うそんな綺麗なものをやるんじゃないんだもっと汚いドロドロしたものなんだ、っていう主張を込めたそうです。あともうひとつは何だったかなぁ…。
 フェスティバルの名の通り、お祭り気分が味わえる連続上演の何というかちょっと熱に浮かれたような、ふわふわした空気感が楽しい王子小劇場でした。後半戦もまた行くよー!

*1:しもったいない…

*2:このフレーズほんと耳に残る…

*3:たいたいお休みなの残念だった!

*4:むしろ良くセリフ聞こえてたなってくらい