ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

何かいろいろ

 サボり始めるとキリがない(笑)。
 ええと、ここのところ観てきたものをざらっと。

●「坂元裕二朗読劇二〇一四 カラシニコフ不倫海峡」@草月ホール(6/3夜)

 Fさんにお誘い頂いてご招待の御相伴に預かりました。日替わりのキャスト3組による朗読劇で、高橋一生さん×酒井若菜さんの回でした。
 書簡形式の朗読劇というとやはり「LOVE LETTERS」が頭に浮かぶけど、現代劇なのでそこはメールで。地雷除去ボランティアで妻を亡くした男の元に、妻は生きていてアフリカで自分の夫と暮らしている、と告げる女からのメールが届き、真偽を確かめる為に彼女と待ち合わせる、ところから始まる。随所にクスッと笑わせるポイントが散りばめられていて、しれっとした酒井さんのトーンと、ツボを捉えたタイミングの一生さんの低音ボイスが上手くかみ合って、なかなかミステリアスな序盤に引きこまれる感じでした。…が、結局何だかよくわからなくなった(笑)。もっとミステリ的な展開を期待させる雰囲気だったのに、うん、不倫だった。一生さんの深い声音*1が堪能できたのでそこは満足でした! 若菜ちゃん最後の方涙声になってて、入り込んでるんだなぁと思ったけど、申し訳ないですがわたしは置いてかれていたので(笑)、えっあっ泣くとこ? あれ? なんで?ってなってしまった…。

●「青山円劇カウンシルファイナル 赤鬼」@青山円形劇場(6/6夜)

 黒木華ちゃんと玉置玲央くんが観たくて、あと中屋敷さん演出なのでということもあり。9月にはここで未來さんが…なんて思いも抱きつつ観てきました。野田さん版を未見なので、今回が初めての赤鬼です。
 野田作品というと怒涛の言葉の奔流みたいなイメージがすごく強いけど、今回の赤鬼はそこまで怒涛という感じもせず、印象的な言葉はしっかり耳に残りつつ、全体のセリフも流されずに聞き留めていられる、ちょうど良い感じでした。わたし野田さんの演出だとセリフの量に圧倒されてだんだん聞き流すような状態になってしまうので…あたまのかいてんゆっくりめなので。なので、中屋敷版(?)はちょうど良かったです。野田版でもこのくらいなのかなー。舞台セットは相変わらずのシンプル&見做しで、主演4人+アンサンブルで作られる海や波がすごく綺麗。黒木華ちゃんの凛とした佇まいとしなやかで細いけど強靭さを秘めたような身体がとても印象的でした。玲央くんの動きの良さももちろん、柄本時生くんの無垢さも良かった。小野寺修二さんの異質さも流石でした。
 ストーリーも知らずにまっさらな状態で観たのですが、タイミング良かったのか悪かったのか、つい数日前にそういう話*2を友人としていたので、冒頭のシーンであっそういうことか、とそこはわかってしまった…のがちょっともったいなかったような。何度も繰り返された「偽りは真実を生む為の悪阻」というセリフがとても残っています…。1幕100分キャスト4名というコンパクトさも、メッセージ性がぎゅっと凝縮されてより鮮明に浮き上がる効果になっているように感じる。
 自分たちとは異なるものに対し抱く本能的な恐怖、多数が少数に抱く優越感や蔑視、対象の排除。集団や規模の違いこそあれ、そこここで見られるいろいろなことを思わずにはいられない。ある種、人間が本来持つ自衛本能でもあるそれらを超えた先にある「絆」、に指の先だけ触れて、すり抜け落ちてしまった、そんな感覚の舞台でした。あと観劇前にカラフでアイスティ飲むのはやめておこう。

●「原点進化劇場 怪談・にせ皿屋敷」@青山劇場(6/21昼)

 青山劇場の座席も座り納めかしらとセンチメンタルな気分にもなりながら観てきました。X付きの前列を潰した張り出し舞台が広々、でもちょっと広々過ぎたというか、もったいない感じもしたなぁ。
 番長皿屋敷を下敷きに、さらにアレンジを加えたストーリーは明快で、ドタバタあり笑いたっぷりアクションもちろん、日替わりゲストも来る上にお客さんも舞台に上げられちゃうし、うっかり座ってた関係者さんも容赦なく連れて行かれるし、1幕物だけど途中に体操タイム(笑)も挟まって、最後はせつなく…と全部盛りのこれぞ大衆!という作品でした。面白かったお腹いっぱい! 太一くん演じる青山播磨様は遊ぶ金欲しさに御用金横領までしてるようなダメ旗本だけど根っこまで腐ってるわけじゃない、ひっどいヤツだけどほんとは…というキャラクターで、最近キレキャラな太一くんが多いなぁと思いつつ似合うし面白いから良いです。お菊ちゃんの山本美月ちゃんはまぁスタイルが宜しいことで。愚図でのろまで暗くて小汚い前半と、打って変わってたおやかに美しい後半の落差も良かった。ただ声がちょっとね…舞台向きではあんまりないかな。舌っ足らず可愛いとも思うのですがね。
 わたしが観た回の日替わりゲストは早乙女友貴くんでした。ゆっくん! 坊主頭も素朴可愛い!! 早乙女ゆきのじょうだ!って名乗ってたのも可愛かった(笑)。出てきて太一くんに投げられて逃げ回る兄弟喧嘩楽しかった(笑)。そして山下翔央くんと岩崎祐也くん(だっけ?)を引き連れサングラス装着して踊るは、新春公演でやったふぁんたすてぃっくべいべー! そりゃ盛り上がるわ! 結局太一くんも巻き込んでめっちゃ踊ってくれてわたしとてもうれしかったです。あとゆっくんといえばカテコで太一くんに手を引かれて出てきたのも可愛かった(笑)。あとはええと、全身じゃんけんを提案する播磨様の笑顔がめっちゃキラッキラしてていたずらっ子でした。負けたのは銀之丞さんでした。最後に荷車の上で二十三夜を披露、合いの手で「銀ちゃーん!」てやるのももうすっかり慣れ、楽しくなりました。ぎんちゃーん!
 最後は悲恋というか…美月ちゃんの「播磨様、げんまん…」の声がほんとせつなかった…あの終わり方好きな方です。がセット的にはもう少しいろいろ…って思ってしまうのは青山劇場で観てきたのが新感線とかだったからだなーきっと。敵役の陣内将くんのお顔がとても綺麗で、わぁ好みだぞと拝見していたのですが、考えてみたら某日曜朝5chの辺りでお見かけしていた方でした…って気づいたのが翌朝くらいでもったいなかった! 知っててちゃんとガン見すればよかった!!
 カーテンコール後に銀之丞さんの罰ゲーム(?)があっておしまい、のはずだったのだけど、追い出しアナウンスが2周しても拍手が鳴りやまなくて、そしたら私服に着替えた太一くんがハンドマイク片手にぺたぺた出て来て「もう終わりだから! 着替えたから! 帰って!(笑)」って(笑)。すみません帰りますでも出て来てくれてありがとうね…。
 岡村俊一さん演出ってちょっと苦手意識があったのだけど*3、大衆っぽいのだと大丈夫みたいです。原点進化シリーズはまた観たい!

*1:と美しい後頭部

*2:スープ的な

*3:某ごえもんとか…