ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「あかいくらやみ」@シアターコクーン(5/15夜)

 ずいぶん時間が立ってしまいましたが備忘録だけでも。ゲートル巻いて丸眼鏡の小栗くんがなかなか素敵だった。あと小日向さんの達者さが際立つ印象。天狗2人の効果がすごく…凄いのです。ここ数年の長塚作品ではああいう感じの演出をよく見かけるけど、それがどんどん発展していっているのがわかって面白い。好みです。
 が、何というか…うーん、もうちょっとこう…もうちょっと、どっちの方向にも、もっと行けたんじゃないかなぁ、というもどかしさというか、勿体なさというか、がちょっと残ってしまった。もっと不条理方向にも、不気味ストーリー方向にも、持って行けたんじゃないかしら。不条理を語る論法(というか言語?)でストーリーも語ろうとしてどっちつかずになっている感じがしました。…けど、好みの問題かなー。わたしはどうにも、ストーリーなら論理的な解を求めてしまう性質なので…不条理なら不条理だから!って、アンチクロックワイズ〜みたいにわかんなーい!!ってなってる方が安心するようですスミマセン。
 ストーリー的には、うすらぼんやりした知識で予習なしで挑んだ割には食いついて行けてたと思います。が、最後の最後のオチ部分でちょっと見失った…おかげで、もうちょーーっとで「おおお!!」となれそうなところまで来てたのにオチのカタストロフに乗り遅れた…残念。惜しかった。
 でも非日常的というか、非常に演劇的な空間を体感できたので、その点では大満足です。今がいつでここがどこなのか忘れて、舞台の暗闇に溶け込んでいく感覚、あれこそ演劇の醍醐味であり生で芝居を観る意味なのだと思うのです。何だかんだ云いながら、次も観に行くなぁ長塚作品。好きだもの。