ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「100万回生きたねこ」東京千秋楽(1/27)

 先に千秋楽をやってしまいます。
 千秋楽、開演前から何だかいろいろと楽しくて、当日券に並んだ友人を応援したり、誕生日後だったのもあって素敵なプレゼントを頂いたりなどしていたら、あんまり最後だって実感もないまま開演してしまうことに。まぁまだ地方もあるしね、とは思いつつ、でももう芸劇にこんなに通うこともないでしょうと思うと、帰りの長いエスカレーターもでぶねこ(笑)も、感慨深いものになりましたけどね。
 とてもとても、素敵な千秋楽でした。

  • S列下手端っこ席でしたが、視界が開けていてほぼ遮るものもなく、全体を見渡せてすごく見やすかったです。前方センターより後方端っこの方がよっぽど見えるという…(笑)。あそこまで下がると下手端でも下手側の壁まできっちり見えました。
  • ベッドの下からちらちらとはみ出すしっぽもよく見えます。あれほんと…可愛いよね…最後までこんな感想だけどね…。
  • 本は4冊目をキャッチ失敗、続けて飛んでくる5冊目6冊目をわたわたと捕まえて積んで、落ちた4冊目は最後にフェイントされて、とても忙しいとらねこちゃん。
  • 友達が、女の子が本のページを破りとって丸めてポイするのは、猫を死なせてしまった自分のページをなかったことにしてるんじゃ?と云っていて、ああなるほどーと思ってそっちで観てみたのだけど、それにしては女の子が無邪気というか悲壮感皆無でえっへ!って顔して破りとって丸めておうちにポイッとしているので、やっぱりもっと子供らしい無邪気さと、ねこのことをもうなかったことにして忘れている残酷さ、みたいなものを感じます。
  • で、おうちのなかに本のページを放り込んでビビビビビッてしてるのは、違うページの物語*1が女の子の家=ミニチュアの家、の中に入り込んできちゃう瞬間、異なるページがレイヤーみたいに重なってひとつになっちゃった瞬間、みたいなことかな…というのは前にも書いた気がする。
  • 王様のねこ。ワインボトルに向かって何云ってるんだろうねぇ。ちゃんと耳位置ばっちりでビンの口から中の音を聞く。
  • 王妃さまが、身に降る火の粉を取っ払い、が振り払い、みたいになってて意味は通じるんだけどびっくりした…。
  • 膝に懐くねこの耳をどっちもこしょこしょして、耳の間もなでなでする王様。羨ましい…。
  • 兵士ひとり目の羽根を、3段折る。階段みたいになってたよ(笑)。2人目もぐにぐにっと折った。その後の兵士の羽根がもっしゃもしゃになってるのも可愛い(笑)。
  • 相変わらず死んじゃってから穴に突っ込まれるまでまばたきをしないんだな。未來さんまばたきしないの得意だよね…。
  • どろぼうねこちゃん。本を抱えて居眠りして、はっ!て起きた後のむにゃむにゃする口が大好きだ。
  • びくっ!て起きた後のきょろきょろする目も大好きだ。
  • 下手の壁際に張り付いて、景気よく足を開いて腰を落として、えーとお股を掻かないでください(笑)。
  • 絨毯の上で腹ばいにごろごろしてる時、両手が体の下に入ってるし、やたらお腹を持ち上げるようにするから、何かしてるのかなーって。ワイヤー用のベルトでも外してるのかしらとか思ったけどわからなかった。ばかばっかだ、の前。
  • 「汗水垂らして盗むより、寝ちまうに限る」って云いながら、腿裏をぽりぽりと掻くのも可愛いベッドの上。
  • 番犬挑発は小憎ったらしく、捕まえてみなー!って云ってた。そんなこと云ってるから食べられちゃうんだよ…。
  • 絨毯ごと穴に吸い込まれるのが、何か…するーん、と入り始めて最後にしゅぽっ!と勢いよく吸い込まれたように見えて、何というか…しんかんせんのおてあらいを思い出してしまった…ごめんねとらねこちゃん…。
  • ふなのりねこちゃん。船尾にちょこっと顔を出す時、船のヘリに掛けた手の指がうごうごっとするのが可愛くて好きです。
  • かもめ? うみねこ?をいつもしっしってするところ、今日はねこパンチを繰り出していた。届かなかったけど。
  • 耳から出したお魚、魚がビチビチしてるというよりは、魚を見てとらねこちゃんがぶるぶるしている方だった。
  • ボイパ的なのの掛け合いは、それはすでにもうダンスですよね。全身運動ですよね。二人とも楽しそうで大好きー! ねこさんガクガク暴れるから耳がぴるぴるしまくってて…可愛かった…。
  • 3拍をきっちり振って演奏スタート、それをぴっ!と一度止めて、止めた自分の手をちょっと不思議そうにじいっと見て、またスタートを出す。何で止まったんだ?みたいな感じに見えた(笑)。
  • 魚を不思議そうにガン見するのも、台の上のアコーディオンさんを見上げるのも、間から鳩時計の鳩みたいに出てきて足蹴りあげて引っ込むのも、全部好き。
  • 手品師の最初、帽子のサイズが小さいから余計に、遠近法が強調されてすっごく遠くに見えるのね。で、手品師出てきてその大きさにびっくりするの。帽子が小さかったのか!って(笑)。
  • というのを実感できるのも、それができるくらいの距離をとっているからこそ、だろうなぁ。
  • とらねこちゃんはほふく前進で出てくる。
  • ふっ!と吹き飛ばした鳩の残骸(?)、青い方の助手さんがダイレクトキャッチ。
  • びっくりな女の子に思わず「お前、なにやってんだよ!?」と声をかけるとらねこちゃん。なにやってんだよ、のイントネーションがテが跳ね上がって、とても若者言葉のようになって面白かった(笑)。
  • 転げ落ちる首が本当に可愛い…。
  • 銀テープの涙が左右同時に、美しく広がった。
  • クラッカーは下手側にいる青い方の助手さんが2発同時に鳴らした気がする。
  • クビにされた楽隊さんの撤収が素早かった(笑)。とらねこキックがなかなか追いつかない(笑)。
  • 時計の音がカチコチし始めると、何だか途端に寂しくなってしまう。
  • ふと思ったのですが、王妃様のドレスも、手品師のジャケットも、柄が不鮮明というか掠れているというかなのね。で、おばあさんは自分の柄を剥がす…関係ないかな。でも気になる、「柄」の意味。あるのかないのか含めて。
  • しかしティーカップ可愛いなぁ。本来のねこちゃんならちょうどいいサイズよね、船乗りの傘も。
  • やっぱり、「枠」の中の世界だと、魚は見えない存在なんじゃないかな、と、目の前に突然現れた毛糸玉を思わず掴んじゃった、みたいにはっしと取って、なんだこれ?って眺めてるとらねこちゃんを見て思いました。でも、枠の外に出ると見えるの。つまり魚は物語の「外側」の存在で、外側から介入する。
  • ディンドンの市松模様の人は、完全に「枠」の中の人だなぁ。
  • 手品師からおばあさんのシーンへのしりとり的な要素、巾着袋は?との案も。あー…なるほどー。どちらも哀しみが詰まってるよね…。
  • 服の柄も似てるし、ふたりとも涙が降るキラキラだし、共通要素が多いなぁ。
  • おばあさんのシーンから女の子の部屋に戻るしりとりは、家ですね。あのおばあさんのおうちをひっくり返すと女の子の部屋にある家になるし。
  • 女の子の部屋に戻って。毛糸玉を手にむくりと起き上がって「悲しくないからな」って云う時、ちょっと前かがみに床に肘を突いてたのが珍しかった。バランス崩したようにも見えなかったんだけど勢い余ったのかしら。
  • その後も毛糸玉持ってごろんとひっくりかえって起き上がるとまた両肘を床に突く。
  • 泣き真似の声が…何かいつもと違っててよりリアルというか(笑)。うええええん、じゃなくて、んんんぅぅ〜って口閉じた泣き真似してた(笑)。
  • 楽隊に演奏を促す掛け声がまた平泉成さんっぽかった(笑)。
  • ねこが消えた部屋に、女の子と毛糸玉だけが残されて、これが本来あるべき状態というか、ねこが生き返ることなんかなかった状態というか。「夢から覚めた」感じがすごくして…寂しそうにベッドに座って足ばたつかせて歌ってる女の子の姿が悲しくなる。ねこが晴れやかに歌っている分余計に。
  • 2幕。下手端っこからは、テーブルにのそのそっと近づくとらねこさんが見えませんでした。残念。
  • でも、花を飾るわ、一番きれいな花、で花?に近づくとらねこさんはねこ歩きで可愛かった。
  • 2幕はどうしてもとらねこさん、になってしまう。だってイケメンすぎる。
  • 魚が、「俺は魚は嫌いなんだよ」って云われてうろたえてるのがオカシイ。好かれたら食べられるってば(笑)。
  • とにかく、しろねこの「…そう」がそっけなくて! たまらん!! 自慢げな100万回死に話、全然興味ない!!
  • おばあさんのねこだった話をするとらねこさんが、よぼよぼ芝居をするのが面白いんですが、「あいまいなまま死んでいった…」が完全にまいまいなまま、だった(笑)。
  • 面白い踊りをしても笑ってくれない。たまらない。クールですしろねこさん。
  • 全部やりきって、もう何もなくて、しょんぼりちんまり座ったらやっと笑ってくれる。
  • やけくそみたいに「あのさぁ!」って大きく云ってから、しゅんと小さくなって「…きっ、きみのそばに、いてもいいかな…?」
  • ええ、ってお返事するまでの間もたまらないしろねこさん。いい女だ。
  • 距離を詰めるふたりの間の緊張感が、見ているだけでどきどきが伝わってきちゃう。そしてこの辺でスイッチ入る…。
  • 台の上から抱き下ろす前に、一度すりっと顔をすり寄せるようにするの、可愛いくてねこっぽくて大好きです。あとここから顔つきが変わる(笑)。
  • ネズミいただきます、は鼻先をぷちっと。ネズミさんの鼻がくたくたになってしまいそうだ(笑)。
  • やっぱり、ダンス!の時のとらねこさんの左手の優美さが大好きです。
  • 生かす、好き、きみ、の「すき」を呟くようにぽつりと云ったのが印象的だった。
  • パパ! パ、パ! 何かすっごく可愛らしく優しく云っていて…ふわわってなりました…ちたちたしてる仔ねこたちが見えるよー。
  • 希望、歌、で抱き合うふたりの姿が泣けて仕方ないのです…ひかりちゃんのか細さが儚くて美しくて…未來の手で掴めちゃいそうな腕…。
  • 本当に愛しげに、頬をすりよせながら歌うのも…苦しくって仕方ない…。
  • 「やすむ?」もめちゃくちゃ優しくて…いやいつも優しかったけど、いつも以上に愛にあふれている気がして…ぼろぼろです…。
  • どうでもいいんですが、ねこ観劇に着て行った服を帰ってハンガーにかけると、毎回両鎖骨の辺りに染みができてて、何だろう何かしら…と思っていたんですが、わかった。垂れ流している涙が乾いたあとだ。
  • 頭を抱くように手を回して、そっと撫でて、肩や背中も撫でて、身体にぴったり寄り添って「まるい背中よ」って。
  • 歌の終わりを、とぎれとぎれというか、フレーズごとの間を長めにとって、そおっと置くように歌っていて、すごく大切に、ことばひとつひとつを唇に乗せているようで…嗚咽をこらえるのに苦労するんです…。となりに、とか、ほんとにそーっと歌ってた…。
  • 「明日もいい天気になるな」は囁きで。
  • 全ての音が消えてから、そっとしろねこの身体を揺さぶり出す。静かな静かな中で。
  • 無音から、静かにすすり泣き始める。絞り出すような泣き声でした。うん、いっぱい泣きな。100万と1回分ぜんぶ泣きな。という気持ちで見守った。
  • 泣きながら身を寄せて横たわり、赤い糸をしろねこの手の中に落として、そっと本を閉じるようにひとつ息を吐いて、動かなくなりました。良かったね。
  • 何か、到達点にやっとたどりつけた安心感、みたいなものを覚えるラストなの。よかったねって思うの、悲しいわけではなく。でも涙はたくさん出るのね。
  • 花が咲いてまた涙。いっそ晴れやかな光景。
  • さてカテコ! 楽隊さんがひとりずつお辞儀する時、ひかりちゃんと未來さんがアコーディオンさんとトイピアノさんを指差してびびびびってしてた(笑)。何なの可愛い(笑)。
  • 1回目ハケ際はねこさんでお辞儀。
  • 2回目出てきた時かな? 藤木さんが隣の未來さんを讃えるように労うように声をかけてらして、未來さんが照れくさそうに、でもすごく良いお顔で笑って頷いてたのは。
  • 2回目ハケ際は、ひかりちゃんが爪といで未來は猫背ねこちゃんポーズ。3回目出てきた時に、ひかりちゃんがわざと? 未來さんの前を通過して戻って、何やってんの(笑)みたいにみんな笑ってた。
  • カテコが可愛いと本当にほっとするね…。-ハケ際はひかりちゃんが耳こちょこちょして、未來さんが頭カリカリして、ねこさんお辞儀で。
  • 4回目?かな? 出てきたとき、ひかりちゃんが前傾姿勢で飛び出てきて、未來さんがおおおっ?て身構えてた。で、みんなで手つなぎお辞儀。
  • 一度、ハケようとして上下の袖手前で立ち止まった未來さんを、ひかりちゃんがセンターに戻っておいで、みたいに呼んで、え、何で??みたいに戸惑いながら戻った未來さんの頭を、ひかりちゃんがぽふぽふしたのは、4回目くらいでしたっけ? しろねこが、とらねこちゃんに、よくがんばりましたって云ってるみたいで、めちゃくちゃ可愛かった上に泣けてきた(笑)。泣き笑いだよまったく! セーターシミだらけ!
  • で、改めてふたりでお辞儀して、ハケ際がひかりちゃんが後ろの壁に肘つくみたいによっかかって、未來さんも何かしてた…けどよくわからなかった。ひかりちゃんのは最初の女の子の動きみたいだった?
  • 下手がなかなか出てこなくて、先に出てきた上手組がちょっと手持ち無沙汰そうに待ってる、のもあったけど4回目だったか、最後だったか…。
  • 銀粉蝶さんが感極まってらして、隣のひかりちゃんが、大丈夫ですか?!みたいに気遣ってたのもあったなぁ。藤木さんの、深々としたお辞儀の後に胸に手を置くのも、じーんとなる。
  • 最後はざっくばらんな感じで出てきて、未來さんもお互いを讃えるように拍手してて、ほんとにいいお顔でした。
  • 手つなぎお辞儀で、未來さんがひかりちゃんの手をぎゅーってつないでるのがわかった。そしてまた泣けた。
  • 最後ハケるときに、石井さんと田口さんが何かわやわやってしてて客席から笑いが起きたんだけど何してたんでしょうか。
  • ハケ際の未來さんのお辞儀が、すごくきっちりぴしっと深々と頭を下げていて、ああ、おしまいなんだなー、と思いました。とても美しい、想いのこもったお辞儀でした。

 そんな東京千秋楽、静かだけどハッピーな空気に満ち満ちていた劇場空間でした。最後の最後にスタンディングオベーションできたのも嬉しかったなぁ。毎回、気持ちとしてはスタオベだったけど、あのしんとした美しい終わりの空気を乱したくなくて、拍手も最初はそおっと、な感じになってしまっていたので。
 東京でのとらねこの物語にはfin.のマークがついて、絵本はぱたりと閉じられてしまいましたが、また次の地で新しく、本は開かれページが繰られて、物語が始まるのです。まだまだ続くとらねこちゃんと女の子の不思議な旅路と、とらねことしろねこの愛の成就を、見守りに行ってください。わたしももう少し、ページの隙間を覗きに行きます!

*1:王様だったりどろぼうだったり