ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

100万回生きたねこ

 初日観てきました。どうしよう、どうしようもなく、好きだ!! 好きな世界で好きな人が好きな動きで踊って歌って生きてる幸せ…!!
 舞台セットも登場人物も衣装も音楽も、絵本の世界、「100万回生きたねこ」の絵本、というわけではなく、「絵本」の世界観という感じで、どのシーンを切り取っても1枚の絵として額に入れたくなってしまう。舞台セットがちょっと額縁っぽいというか、紙芝居の枠(?)みたいになってたから余計に。
 未來さんのとらねこちゃんは、シニカルでひねくれてて意地っ張りででもどうしようもなくキュートで可愛くて…1幕はほんと出てくるたびにかーわーいーいー!!と心中沸き立ってしまう感じ。でも、冒頭の女の子とのシーンは何か…とても悲しくなってしまいました…いきなり大泣きしたよそういえばこの話は100万回死んじゃう話だったよ忘れてた…。あの、ねこが可愛くて仕方なくてあそびたくてでも加減がわからない女の子側の気持ちもわかるんですよ…でもそうしたら死んじゃうんだよ、っていうのがまたすごく…哀しかったのです…。あと動物の話は基本とても弱いんです問答無用に弱いんです至るところで動物モノ的に泣いてしまった。でもいっぱい涙出たけど、いっぱい笑いました。いろいろおっかしかったよー魚とか魚とかねこもだけどあと手品師とか(笑)。フィッシュマンがいちいちツボで素敵でした…魚がタキシード着てるなんてレオ・レオニみたいじゃない? あと生まれ変わるあの…あそこ(笑)、ブラックボックスみたいね。ピタゴラとかの。ブラックキャットボックスだわ。
 100万回の生と死の果てにしろねこと出会った2幕のとらねこちゃんは、ゾクゾクするほどかっこよく…イイ男いやイイねこになられて…素敵でした。1幕最後まで引っ張った歌声も、高めに甘く響かせてくれて…ほわわん。しろねこととらねこが短いセンテンスでやりとりを重ねていくシーンが、短い音なのに、だからこそ、すごく純化したというか、エッセンシャルな部分の結晶みたいな言葉たちで、それが連ねられていくと水彩絵具をふわりと乗せていくみたいに情景や事象の流れが立ち現れてきてすごく印象的でした。綺麗だった…すごく綺麗なシーンだった。ラストは絵本のとおりなので、もう、泣けてしまうのは仕方ない。でも、ハッピーエンドだと思います。やっと、ちゃんと生きられてちゃんと死ねたんだもんね。おつかれさまでした、よかったね。あ、ねこ装備がちょっと外れちゃうアクシデント?があったけど、装備なくてもちゃんとねこっぽくしかも装備付け直す仕草もねこさんだったのでちょっといいもの見た。髪、パーマかかってない? 相変わらずさすがの顔ダンスで、その辺も堪能させて頂きました。顎というか下唇を突き出すふくれっ面が多いんだけどね、可愛いのね(笑)。
 ひかりちゃんは女の子の時は子供らしいというかインバルっぽいというかな動きで、あの体勢で歌うのってつらくないかしらと思ってしまうインバルポジションでした(笑)。いろいろ面白いことが起こってたまらなかった! びっくりした! しろねこさんは綺麗な真っ白いねこさんで…可愛かったなぁそして切なかったなぁ。個人的には藤木孝さんのお歌の時には両手が乙女握りになってしまいます。大好き…。銀粉蝶さんもすごく素敵だったなぁ! 海のシーンの優美なこと…お妃様のドレスとか、衣装も好きだ…。
 とりとめのない感想でアレですが頭があまり働いていなくて…とにかく「好き」がぎゅぎゅっと詰め込まれた上に切なくて愛おしくて美しい物語でした。ミュージカルを観るつもりで行くと、多分、んんっ??ってなると思います。お芝居観るつもりで行っても、…ぬぬっ?ってなると思うし、コンテンポラリーダンスだと思っても、むむっ??ってなるだろうな! もっとこう…総合芸術的な作品です。敢えて云うならやっぱり、インスタレーション、が一番近いかなぁ。でも、ミュージカルでもダンスでもお芝居でもなくて、もしくはそのどれでもある、不思議な作品なのは確か。
 グッズはねこしっぽしおり付きパンフ1500円、トートバッグ1000円(パンフとセットで2,400円)、Tシャツがベージュ・グレー各2500円(サイズ種類あり)、レディスパーカー4800円、オペラグラス1000円、クリアファイル2枚セットで600円、魚モチーフのピンバッヂ500円、B6ノート2種各400円、レギンス/タイツ各2800円(ダンサーさんが劇中で着用しているデザインとのこと!)、肉球マシュマロ500円。他に原作絵本やねこベアブリックダンサーとして出演中の森下真樹さん手作りのねこさんブローチやストラップもありました。お金足りない!


 座席的には、初回2列目センターブロックだったのですが、舞台が一段高く設えてあって、その段の上だと足元がほとんど見えない感じでした。手前に一段降りてくるとばっちりなんだけどね。というかそこ通路的な場所だったけどね…。奥行もあるので、奥の方もちょっと見づらかったかな。床上で起きる事象はあんまり見えていませんでした…どの辺がちょうどいいのかしら。その代わり、表情はつぶさに見られましたが!