ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

劇団☆新感線「港町純情オセロ」@ACTシアター(5/8昼)


 うっかり…泣かされちゃったぜ…。港町でヤクザの抗争とか始まるからこれどうなるの?と思ってたのに、ちゃんとオセロだったもんな…。港町で悲しい程純情なオセロでした。タイトルロールはオセロ=じゅんさんだけど、狂言回しというか一番動くのは伊東=田中哲司さん、という図式はマクベスに近いのね。ヤクザの跡目争いに愛憎のもつれが絡み合い、悲劇へと加速していく様は紛うことなくシェイクスピアでした。ベースのノリはどちらかというとネタものに近い雰囲気*1なんだけどね(笑)。何よりじゅんさんが元気な姿で跳ね回ってるのを見られたのが、一番の僥倖でした。…と云っても、わたしは三宅さんver.の鋼鉄番長を観ていない*2のですが。でもね、あの時は本当に心配だったからね、とにかく良かったですよね。冒頭でちょこっと、じゅんさんの腰痛いじる台詞とかあったけど、ほんと、笑いのネタにできるようになって良かった!(成志さんも通院終了されたようで何よりです)
 戦前の港町のハイカラで猥雑なバーの雰囲気とか、戦前看護婦さんとか、ちょこちょこツボなところもありつつ。でもほとんどが抗争の舞台である離島で進む話だったので、漁師が集う飲み屋みたいなところが多かったかしら。新感線舞台はいつも、タイトル出しがどんな風に来るのか楽しみなのですが、今回は…うん、かっこよかったけどインパクト的に弱めだったかな(笑)。鋼鉄番長の方がぞびぞびっとしました(笑)。綺麗だったけどね。
 純情な故に、純情過ぎるからこそ、伊東の口車に乗せられ破滅へ向かってしまうオセロが哀れで悲しくて、ラストはけっこうじゅるじゅるしてしまいました。その分、伊東の悪さが際立ったというか、人を信じることのできない伊東という人間が、ちょっとわからなかったというか…そうなってしまう伊東のバックボーンがあまり見えなかったのは残念かな。そこもっとこう、ガツンと見せてもらうと、騙すことでのし上がるしか道を見出せない伊東の悲哀も感じられたんじゃないかしら、なんて。伊東の妻役の松本まりかちゃん、Cat in the〜以来だったけど、個人的にすごく良かったので、その夫婦間の色々をもうちょっと観たかったなぁ。まりかちゃんに対する不信がトラウマみたいになって、ああいう男ができた、んだろうし、にしてはそこあっさりだった印象なので。まりかちゃんと大東くん姉弟にはめっちゃ泣かされました…。大東くん、可愛かったです(笑)。カテコまであのキャラ貫いてステキだったわ…。伊礼彼方さん初めて見たのですが、いやぁウラケンに続き東宝王子様キャラですね! ギター弾きながら歌うのかっこよかった! バラサムのウラケンはミュージカル歌唱ずばりだったけど、伊礼くんのは違う方向で、でも上手いし声量あるしかっこいいしさすが。そして石原さとみちゃん…かぁんわいいなぁ。じゅんさんとラブラブしてるのとか、キス寸止めとか、無邪気で一途なお嬢様でした。じゅんさんとのラブラブカポーっぷりはランダムスター夫妻を思い出したよ…。
 劇団員的には、ええと、メタルさんのボンデージ良かったです!ってそこか!(笑)右近さんの佐堂さんは、右近さんがスーツ着てる短髪!!!と凄く新鮮だった…ヒートアップし過ぎて若干台詞聞きとれなかったけど(笑)。さとみちゃん*3のセーラー服とかナースとかめっちゃ可愛かったです。カナコよし子姉さん方と一緒にバーで歌うの眼福でした…ガガ様も(笑)。じゅんさんのアドリブ攻撃に田中さんが顔伏せてプルップルしちゃったり、芝居続けられなくなったりもしておかしかったなぁ。攻撃してるくせに自分も笑ってるじゅんさんとかね(笑)。さとみちゃんも「事務所的に大丈夫なの?」的いじりがあったような…「たいこどんどん」に引き続き、と思った記憶が。そして粟根さんは…そこから出てくるよねー!(笑)まりかちゃんでCat〜を思い出したところだったので、とても溜飲が下がりました(笑)。殺陣とかアクション的には派手ではなかったけど、ちょっと珍しい新感線、という感じで楽しみました。ラストのね、さとみちゃんとじゅんさんが美しくて悲しくて…鼻すする音が色んなところから聞こえてきたよ…。
 さてさて、次にわたしが劇場でヘヴィデュティ〜ディフェンダーを聴く時は、恐らく、ええと、森山天魔王降臨の時、になります…うおおおお。ジューダスの後に未來が出てくるゾビゾビ感がまた味わえるなんてえええ!!

*1:じゅんさんが顔塗ってるから、だけかもしれないけど

*2:鋼鉄2回ともじゅんさん・成志さんの時だった

*3:石原じゃない方の