ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「タンゴ」2・3回目(昼夜)

 マチソワしてきました。どんどん芝居が加速している! テンポが良くなっているというか、疾走感が機関車のよう(駆動してる!って感じが)になってきたというか、車軸ぐいぐい回して勢いついてもう止まらない、そんな疾走感というか。それに加えて、ソワレからいきなり、芝居全体の動きの自由度がアップして、どんどん偶然的な要素がプラスされながら進んでいきました。面白かった! この舞台、まだまだ、どんどん、変化して進化するんだ…!
 2回目・3回目の観劇でしたが、さすがに初回よりはするすると、会話の内容が頭に入ってきて、入ってくるから、アルトゥルの理論の破綻部分とか、1幕で否定したのを2幕で全肯定するとか、そういう部分がはっきり見えてきました。席がセンターだったのもあるのかな、バルコニーだと台詞の反響がけっこう大きくて、こちらに背を向けて発される台詞がかなり不明瞭にしか聞こえなかったのが、今日はクリアーに聞こえたので。バルコニー見やすくてよかったんだけど、音はやっぱりちょっと難アリです…。
 
 ネタバレというか、ちょこっとメモです。畳みます。マチソワ分。
 
 

  • 昨日の初回でえっ!?と思ったんだけど忘れてたの! 場面転換の暗転時にかかったパーカッションの音が、ノイバウテンの「Seele Brennt」という曲にそっくりというかそうじゃない!?と、はわわっとなったので、今確認してみましたが、うん、これ…そうだよね(笑)。→Einsturzende Neubauten/ハルバー・メンシュ(半分人間) - TOWER RECORDS ONLINEの5曲目。鐘のタイミングもばっちりだよね!
  • マチネはA席を取ってみた回だったので、2階センターちょい下手から観劇。上から見るのもなかなか、全体が把握できて、セット移動の軌跡とかも面白かったです。最初のポーカーとか、エレオノーラの部屋でのポーカーとか、の準備がちょっと見えるの(笑)。
  • エレオノーラの部屋に入って彼女とエーデックの浮気を確かめろと迫るアルトゥルにストーミルが反駁するシーンで、ストーミルの前衛演劇(笑)の首からぶら下げたランプの片方がコンセント抜けちゃって、途中で点灯しなくなり、コードでアルトゥルを椅子に縛り付けてからランプで顔を照らすところで、鋼太郎さんがスイッチを何度もひねるけど点かなくて、アルトゥルもちょっと笑っちゃっていました。面白かった(笑)。結局、1つだけ点いた状態だった。
  • 2幕の疾走感たまらないわー。という感想だった…気がする…昼間のことはあまり覚えていない…。
  • ソワレはH列センター。やっとセンターから観られた! 正位置からの眺めを初めて確認できました。
  • マチネは2幕が面白かったんだけど、ソワレは1幕からぐいぐい来た、というか1幕の方が目が離せない要素が多かった! のは、動きがいっそう自由になって、いろいろ面白いことが起きてたから(笑)。
  • エレオノーラとストーミルの「スキャンダラス」なプロポーズ事件、「タンホイザーの初日、かぶりつきの桟敷席で」のタンホイザーの初日、がなかった。だから続けてストーミルの「美術館でじゃなかったか?」に答えるエレオノーラの「オペラよ」が、え、オペラ??ってなった(笑)。
  • あ、もちろん台詞は何となくそんな話のところ、程度です。
  • 朝食のパンを上手手前のテーブルと椅子で食べるアルトゥル。ほんとに食べた!
  • 向かいに座ったストーミルと、コーヒーカップで攻防戦してた(笑)。マチネはアルトゥルが飲もうと手を伸ばした瞬間にストーミルがひょいっと取り上げて飲んじゃったけど、ソワレはストーミルが取ろうとしたカップをアルトゥルが押さえて取られないようにしながらプルプルしてた(笑)。
  • 無秩序状態の家に対する、アルトゥルの革命開始の辺り、おじいさんが死んだのは何年前ですか!?の前に手をパンパンパンパンパン!と叩くアルトゥル。びっくりした…はい注目!という感じの拍手でした。
  • アルトゥルの演説開始後に、上手のテーブルでエーデックがパン食べてた。
  • 上手手前のテーブルから、下手奥のテーブルにコーヒーとパンを移動させるエーデック。コーヒー飲み干して、またパンを食べてた。
  • エーデックが動いてから、同じ席に座ってパンを食べるアルトゥル。コーヒーを飲もうとカップを口に運ぶけど、空っぽでムッとしてた(笑)。
  • で、討論を避けてポーカーをしようとテーブルを動かすエーデックとエウゲーニャ、ぐいぐい移動させるテーブルの縁にアルトゥルがいて、ぐいぐい押されてて可哀想でした(笑)。
  • 長塚さんの存在感が相変わらずスゴいんです。長塚さんが暗転時に椅子に座ってるアルトゥルの隣に座り込んで、顔を覗き込んだりちょっと何か話してる?っぽくなってるの、観られました! ソワレは、アルトゥルの膝の上に赤い薔薇を一輪置いていったり。アルトゥルはすぐぽいっと床に落としちゃったけど。
  • アラにも白薔薇を一輪渡していました。アラはそのまま持ってた。
  • ストーミルのぱんつは蛍光グリーン(昼夜とも)。昨日は紫でした。
  • 再建と復興が合言葉(笑)。
  • うっかりアラを襲うシーンは婚礼を思い出します。偶発的な感じも含めて。
  • 浮気現場確認示唆シーン、「なまくら亭主、なまぐさ鰯!*1」×3、の真ん中辺りで噛むアルトゥル(笑)。云い直して、3回目は早口言葉みたいにぱっきり云ってた。
  • ポケットサイズのアガメムノンって云われますよねパパさん(笑)。
  • アルトゥルの拳銃に対しても、椅子を振り上げたり履いてるサンダル片手に持ったり、おのおの装備してるのが面白い。マチネまではそんなことなかったからびっくりした!
  • 2幕、エレオノーレとアラのざっくばらんな女同士の会話で、アラの台詞がちょっと飛んでた。鉄の原則と結婚する云々のところで、わたしがほしいのはアルトゥルなの、原則がオマケに付いてきてもいいわ、でもアルトゥル抜きの原則なんていや、の辺りがまるっとなかった(笑)。
  • ひつじたちが身を隠す小屋もひとつだ!のところで、ひつじとひとつが混ざったんですね、ひとつじたちの、になってた。
  • 積み上げた権力の玉座の上に鎮座するアルトゥル、でもその玉座はどれも透明で目に見えない、不確かなものたちで出来ている、のが、あっという間の天下を象徴しているようで…哀れでしたよ…。
  • あ、マチネは、権力の高みから被支配者たちを睥睨するアルトゥル、を見下ろす、という贅沢?なポジションでの観劇でしたよ! 上から見てるといやぁちっちゃいねぇ(笑)。「権力だ!」とか云ってるのを見下ろして、ふーん(笑)、て気分になったわ。
  • アラの一言*2で玉座から転落するアルトゥル。ソワレの転落っぷりが、本当に転がり落ちるみたいになってて、アラというか奥村さんがちょっとびっくりしてあわあわと手を差し出していました。うん、そのアルトゥルは落ちても大丈夫だと思います!
  • 無秩序状態が壁に布+漂うように位置の定まらない部屋たち、アルトゥルが秩序を復興させると壁の布がなくなって透明+シンメトリな配置、が混乱しはじめるとまた部屋の位置が動き始めて、アルトゥルの支配すらなくなる=エーデックに乗っ取られる、と奥の白い布が落ちる。
  • 正面から見たら、布が落ちた後の黒い奥が、本当に漆黒の闇で、すごく奥行きというか、深い闇が見えました。サイドから見たのと全然、まったく印象が違っててびっくりした…。
  • エウゲーニュシュに「いらない身体」宣言をされると、アルトゥルの死体は起き上がって退場、その後姿とすれ違うように長塚さんが下手から現れて、アルトゥルの通り過ぎたセンターでガラスを割る。
  • 部屋の壁も、家具も、家具を象徴的に使ったアルトゥルの権力も、全て透明な素材(=ガラスのイメージ)で出来ていて、アルトゥルが死に、彼とその家族が全てを失った時に、長塚さんがガラスを割る。何か、ガラスが割られた瞬間に、全てが壊れた、って感じがすごくしました。
  • ラストのタンゴは…もう、エーデックの暗転直前の一瞬ニヤリ…に尽きます。全てを奪った男! 言葉も思想も理念も原則も芸術も、「生」そのものの前には何の役も立たない!
  • そして生き残るのは権力に与するもの、擦り寄るものなのね…。
  • …というもろもろはひとまず置いといて、うわーん男同士でタンゴとか! 悔しい! 観たかったですさとしさんと未來のタンゴ!!*3

 何か非常に残念な可哀想なメモですが明日もあるのでこの辺で。ボクらの時代リアルタイムは厳しいなぁ…。

*1:だっけ?

*2:これが1幕最後の辺りで云う、わたしだって秘密を持つから、みたいなアラの台詞のその後なのかなと

*3:そこですか…