ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

「東京月光魔曲」2回目

 初日を観てからもにゃもにゃ考えたり反芻したり、はたまた人物相関図を作ってみたり*1、で自分なりの仮説というか一応の納得をした上で、仮説の答え合わせ気分で挑んだ2回目、ソワレを観てきました。観劇後に本日初回だったお友達と、朝まで営業のスタバに入ったら、うっかり終電が大変なことに(笑)。無理やり帰り着けはしそう*2だけど、…ほんっと無理やりだ(笑)。
 初日に、少しテンポがスローかな、と思ったのですが、今日はそれは感じず、2回目だからかな?という気も多少しますが、多分演じる側も初日よりは、テンポを掴めているんだろうとは思います。やっぱり、この雰囲気は大好きだ…!
 あのエピソードは正直必要ないよね、という部分はありますが*3 *4、それはそれとして、わたしは探偵譚的に楽しみます。もうちょーっと、あの辺とかアレとかが、本筋に絡んでいればなぁ!(笑)
 とりあえず、先日の仮説は立証されたので、そこは一安心。でもまだ…疑問は残ってるんだ…気にして観てたのにわからなかったり…残念な脳みそが悔やまれる…。もう少し、論理的に筋の通る理由を見つけたいですよ。
 日替りネタとかは、特にないような…初日に「あそこ日替りになるのかな?」と思ったところもそのままだったし。日替りに気付ける程、行かないのが残念なところです。
 あとはネタバレるので畳んでおきます。(12/25時系列が間違っていた部分を直しました。)
 
 
 
 
 やはり古本屋・金物屋・肉屋の奥さん方に催眠術をかけて旦那を殺させたのは探偵ですよね。で、探偵はちとせさんにも1度、「月刊レビューの友」の偽取材時にトイレに行く振りをして、かけようとしてる。かからなかったけど。最後に相馬さんに「絶対にかからない人もいる」って云ってるのは、ちとせさんのことですよね。
 薫は多分、奥さん方に催眠術をかけたのが探偵だということに気付いてたんだと思う。姉を付け回していた男を逆に追いかけてるうちに、それに気付いて、霊術の本を読んだ…*5 *6。姉と関係のあった3人の男が次々と殺されて、次は大曽根のはずなのに、なかなか死なないのに業を煮やして、薫は自分でちとせに術をかけに行った、けれどちとせは催眠術の言葉を先に知っていて、それで薫は、一ノ倉がすでにちとせに催眠術を試みて失敗していたことに気付いた。これはスッキリ!
 ついでに、一ノ倉に催眠をかけたのは薫、も合ってるはず。一ノ倉が「すぐかかる人もいる」て云ったのは、実は気付いてないけど自分もそうだった、ていうのは面白いと思います。もしそうだったら、ね(笑)。でも、一ノ倉の行く先々で薫がじいっと睨み付けるように凝視していたら、一ノ倉がかかりやすいタイプなら絶対かかってるはず。ちとせにかけようとした薫の技術なら、きっとできちゃうはず。さらに、父親を殺した相馬を、姉に付きまとう一ノ倉に殺させて、それから一ノ倉自身も虎の檻に飛び込ませたら、薫にとっては一石二鳥だものね。
 一ノ倉が澄子に関わる男たちを消したがったのは、ある種の愛情と神格化、みたいなものかなぁと。だから、大曽根を消したかった(けどちとせへの施術は失敗した)一ノ倉と、妻を寝取って自殺に追い込み笑っていた兄を消したかった相馬は、「大曽根に相馬兄を殺させて逮捕させる」という点で利害が一致している。相馬は大曽根に、針生殺しの件で強請られてもいたし。でも、どの時点で相馬と一ノ倉が繋がっていたのかはわからないんだ…。
 あとわからなかったのは、大曽根が相馬を消したかった理由。逆なら(相馬が大曽根を消したい理由なら)強請りもあるしわかるんだけど…考えられるのは、

  1. 強請りの件がバレると不味い。
  2. 澄子との仲を動物園では隠しているのに、園に頻繁に来られるとバレる。
  3. 誰とも深い仲にならないはずの澄子が、相馬には「肉親みたい」などと深い仲を匂わす言動をした。

 …何か、どれも弱いんだな〜。大事なセリフを落っことしてる可能性はとても高いんですが。今日は特に席がアレだったから、若干セリフが反響して届きにくかったし。今後の宿題にします。
 薫の最後のセリフ、「姉さんは、ずっと父さんを探していたんだ」が何を指すのか、も今のところ明確な答えを見つけられていません。いろんな男を通して、父親の面影を探していたのか。相馬に云った「肉親みたい」という言葉はそこに重なるのか…針生姉弟にとって、「父親」とはどういう存在なのか、そこからわかりません。特に薫なんて、9ヶ月の時に亡くなった父親に、どうしてそこまで拘るのか…顔も覚えていないだろうに。
 結局、ハルヒコと薫も「他人の空似」てだけらしいのもなぁ。針生父の脱走のきっかけになった、「長男が都電に轢かれた」という電報も、本当にただの間違いだったんですね〜。わたし、ハルヒコが都電に轢かれたんじゃないかと思ってたんだけど…ハルヒコはちとせに殺されたんだし…ぬぬぬ。
 薫と太郎に面識があったのも、郷田父に食って掛かったのが気に入られて…てくらいでイマイチ薄い。描かれなかったけど、カフェー・ペンギンに薫がよく通っていた、少なくとも郷田父に気に入られた時にそこに太郎はいなかったから、その後別の機会にカフェーに行き太郎と顔を合わせていた、てことか。カフェーには一ノ倉の馴染みの女給がいて、一ノ倉は付けが溜まるくらいには入り浸っていたみたいだから、それで薫も一ノ倉を見張る為に行く、なら筋が通るんだけど…でもそういう描写は皆無だから、想像の域を越えないのね。どっかのセリフでちらりとでも匂わせてくれてたらいいんだけど…それも聞き落としてるのかな(笑)。
 ストーリー的にこねくり回してばかりですが、それがすごく楽しいんですが、なので舞台レポ的なことが全く云えないのですが。えーと、あ、瑛太さんの一瞬だけのお歌が、初日に比べると余裕も出てきて、フレーズ終わりにアレンジなんかも入って、おお〜!となりました。素敵だった!
 あとは、やっぱり安子ちゃんが…初詣の安子ちゃんが…ああいう、起きている悲劇を知らないでウキウキしている相手、みたいなのが、可哀想で切なくてでも大好物な演出なんですわたし。すみません。2回目観てもやっぱり、凄く良かったです。ラストの針生姉弟も…本来なら赦されないふたりだけど、何かもう…赦す! 幸せになれよ!と…どうしても思ってしまうのです。松雪・瑛太贔屓だから、ももちろんあるだろうけど、それ以上に、あの姉弟にそう思わずにいられない、キャラクターとしての魅力があるから、なんだろうな。だって、どこから見ても、誰に比べても、お似合いなふたりなんだもの…。残酷な話だな…。
 でも、好きです。

*1:パンフ買わなかったので

*2:現在進行形

*3:八木兄弟…キャラはどっちも好きなんだけど…

*4:まぁ「群像劇」だから…

*5:「催眠術」といったらあの本しかなかったのか?

*6:催眠に使った言葉が探偵のものと同じだったから、同じ本だったのかなぁと