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ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

SINGER5「ウクレレを弾く女」@紀伊國屋ホール

 兼坂さんちのゆきちゃんに会えないので*1、北村さんちのゆきちゃんに会ってきました。ミュージシャンと役者の、一夜限りのコラボレートしかも日替わり連続5日間とのことで…どんな? ミュージカルってわけじゃないでしょ?? でもライブでもないでしょ??と疑問符飛ばしつつ、でもこのスクリューデイズでぎたんぎたんのズタボロなハートはきっと癒えるはず、少なくともさらにずたずたにされることはないはず(そういうんじゃないし!)と、気分転換気分(?)で紀伊國屋ホールに参りました。
 うん、素敵な気分転換になった! ほわほわっとなったよ! 特に反省会で!!
 開演時間になると、スポンサーワッペンをたくさん貼り付けたF1レーサーみたいな大宮エリーさんがまず登場しまして。ん? ご挨拶あるの?と思ったら、ご挨拶どころではなく(笑)。スポンサーさんのCMを前説として、一通りやりましたよ。「ジャパネット・エリー」ですってよ(笑)。商品説明とセールスポイントアピールを各社1分ずつくらいやりましたよ。これがまたぐだぐだのようで絶妙に面白かった(笑)。ネコ缶にハイボールリゲインにトッポにソニー銀行に読売新聞にマキアージュに、あと何だっけ。あっドコモとJTだ(笑)。企業協賛は大事ですよねー。いきなりコレから始まってびっくりしましたが、いい具合にほぐれた感じで、これはこれで良かったです。エリーさん面白いし。マキアージュのファンデ実演はかなり説得力ありましたよ、欲しくなったもん(笑)。
 そんな前説?に続いて、いよいよ本編(?)です。つじあやの×北村有起哉、「ウクレレを弾く女」。貴族とか伯爵とかが芸術家のパトロンをしている時代・場所なので、19世紀ヨーロッパって感じでしょうか。才能はあるけど怠惰で酒浸りな日々を送る画家ガスパール*2。狭い屋根裏部屋で酒と煙草に溺れて暮らす彼に、別れた元妻を通してパトロンの伯爵から、絵の依頼が来る。題材は「ウクレレを弾く女」、絵から音楽が聴こえてくるような、あと女は眼鏡をかけていること、とめんどくさい指定付き。酒と金の為に無理やり描こうとするけど、伯爵のご所望の絵はガスパールの画風とはかけ離れていて、全くやる気も起きない。さらに元妻からは催促の電話がガンガンかかり、よけいに彼の気を殺ぐ。そんな時、1本の電話が「『ウクレレを弾く女』のモデルを届けた」と彼に告げる。いるはずがないじゃないか!と驚き戸惑うガスパールが振り向くと、誰もいなかった部屋の椅子に座り、本を読む女の姿が。全くコミュニケーションの取れない女とガスパール、やがてガスパールの悲しい過去が少しずつ明らかになっていく。絵の依頼主の正体は? 果たして彼は、「ウクレレを弾く女」を描き上げることができるのか…?
 …みたいな! 的な!! 感じな!!のを、ほぼ有起哉さん一人芝居状態で、でもつじさんは最初から最後まで舞台上にいて、本を読み、時に音読し*3、手紙を読み、ウクレレを弾いて歌い、「そこに居る」ことがイコール演じること、になる感じ。有起哉さんは、こんなにハマる役者は他にいないだろうってくらいの酔っぱらい役でした…後の反省会時に「アテ書き…?て思った」って云ってたくらい(笑)。才能はあるけどそれに胡座をかき、怠惰で自堕落に堕ちた、プライドだけは高い画家を、基本コミカルに、切なく、最終的にはめちゃくちゃかっこよく、自在に曲がる全身もフル稼働で、演じてらっしゃいました。
 で、ガスパールの心情や風景、物語の背景などを色鮮やかに彩るのがつじさんの歌声で。この芝居の為に書かれた歌なのか、それとももともとつじさんが演奏されてる曲なのか、わたしは存じないのですが*4、多分後者じゃないかな、と…必ずしも完全に内容と歌詞がシンクロしていたわけでもなさそうだし。でも、ふわりと暖かい声と、素朴な音色だからこそ綺麗に響くウクレレの和音が、すごく優しく染み込んできました…。すっごい贅沢だ…と思ったわ…。芝居のBGMとしての歌でも、ライブパフォーマンスとしての芝居でもなく、もちろんミュージカルでもなく、歌と芝居が別々にそれぞれ成立しつつ、少しずつお互いを浸食し合っているような…どっちもメインとして成り立つし、同時にどっちもがもう一方の支えにもなっている。芝居メインで見たらBGMにもなるし、歌メインで見たらPVみたいに見える、不思議な、でもとびきり素敵で贅沢な1時間でした。…だって、生歌で生演奏で、北村有起哉が生で演じる1時間のドラマ仕立てPVだよ!? そりゃ贅沢だ!! しかも、まさかの…泣かされラストだったし…泣かされるつもりなんて皆無で観ていたから、びっくりしたよ…つじさんのハッピーバースデーな歌から泣けてきちゃったよ…。でも、わぁ泣けてきた!と思ったら、すぐ後ろの席から私以上にズルズルになってらっしゃる方のズルズルが聞こえて、えっそんなに!?とそれで若干引っ込んだ(笑)。むしろありがたかったです…わたしの分まで勝手に託した(笑)。
 もしゃもしゃ頭にひげ面で、絵の具だらけの汚い服に靴で、床上をぐねんぐねん転げ回り、酒瓶割りまくり、粗暴全開の北村ガスパールでしたが、そりゃあもうキュートも全開でしたよ。おかしくってキュートな分、後半の切なさもラストのかっこ良さも際立つってものですよ。1時間たっぷり、まるまる北村有起哉堪能でした…相変わらずの大きな仔犬っぷりでねぇ。席がかなり良くて、しかも紀伊國屋ホールの小さな舞台で、ユッキーでっかいなぁ!て感じでした。あのサイズであんだけぐねぐね動かれたら…そりゃつじさんじゃなくても怖いわ(笑)。エリーさんも珍獣扱いするわ(笑)。
 じんわりさせつつガスパールが偉いカッコヨく終わった芝居に引き続き、反省会という名のトークショーがありまして。普通…いやそんなにたくさん、アフタートークとか見たこともないですが、数少ない経験からいくと、まぁ終演後に10分くらいのインターバルを挟んでトーク開始、みたいな感じが多いと思うのですが、今回はね。もう、直後。拍手で暗転して次に明るくなったらもう椅子です(笑)。2分と経たずトークショー開始。すげぇ! さっくさくだ! きめっきめガスパールから2分と経たずにトークしなくちゃならない有起哉さんが、大変恥ずかしそうというか居心地悪そうだったのがちょっと可愛らしかったです。衣装も何もそのまんまだもんねぇ。
 トークショーはエリーさん進行で、つじさんも京都の方なのでお二人とも西の言葉で、とても飾らない感じで楽しかったです。こんな無謀な企画をどうして受けたのか、とか、どういうオファーの仕方だったかとか、つじさんが稽古場初日がっちがちに緊張してらしたとか*5、他の組はどんな感じとか…八嶋さんはよく稽古を覗きに来て、有起哉さんが台本持ったまま稽古してるのを見て「よし!」って云ってたとか(笑)。つじさんは本番中、絶対ユッキーを見ないようにしてたとか(笑)。稽古最初の頃はもっと前半のオモシロが面白くなってて、「志村けんっぽく」ってエリーさんが云ったらものすごく志村けんの割合が濃くなっちゃって、やっぱり志村ナシになったとか(笑)。最後がカッコイイから、あんまりオモシロ過ぎると二重人格!?みたいになっちゃうので、結局最後のカッコイイ方から逆算方式でオモシロ加減を調整していったとか…つじさんには稽古前に、ユッキーがひとりで稽古してるのをビデオに撮って渡しておいた、とか。こんな獣がいるので覚悟しておいて下さい的な(笑)。つじさんも、先に見ておいて良かったと思ったそうですよ。そりゃ心の準備しといた方がいいですよね何かと!
 可笑しかったのは、印象的なシーンを訊かれた有起哉さんが、ガスパールが夢を見ているシーンでのつじさんの歌を挙げていたのだけど、「君はいくつもの(夜を)」という歌詞を「君はいくつ(何歳)なの?」だと今この瞬間まで思っていたことが発覚してしまった、という(笑)。じーんとするとか云ってたのに歌詞違うじゃん!と大笑いそしてユッキー大反省、と面白い事態になっておりました。つじさんのお気に入りシーンは、ラスト近くの有起哉さんのナレーションが、ああイイ声だなぁととても思われる、そうです。うん、すごくステキなシーンだった! 夢のところもすごく良かったけど! 私はハッピーバースデーなところが良かったなぁ、あとつじさんの歌にユッキのセリフがかぶるところ。何という贅沢…! でもどっちも潰し合わない、とても良い重なりで…美しかったの…。1日、1回だけ、なのが本当にもったいないです。
 とにかくすんごいリラックスムードのトークショーで、雑談みたいなことになってて、そのゆるい感じがとても心地よく、もうずーっと3人でだらだらしゃべっててもらいたい、それをずーっと聞いていたい、と思っていましたよ。斉木さんの話も面白かったなぁ、「家ではちゃんとできるのに!」って…さすが斉木さんだ! そんな斉木さんに「絶対振らないで下さい」と懇願していた斉藤和義さん、も面白かったです(笑)。ああ、他の日も見たくなる! 斉木さん見たいよぅ!


 ロビーのお花の中に、素敵なボード的なものがあったので記念にカシャリと。あと、終演後に出口でサントリーの角ハイボール缶を頂きました。ジャパネット・エリーでも宣伝してましたね! いつかそのうち…飲んでみよう。ひとりで。うちで。
 ちなみにカメラが入っていまして、フジテレビNEXTで11月に放送されるそうです。5日間全部やるみたいです。見られる方はぜひ…斉木さんいいなぁ斉木さん(笑)。

*1:ってわけではもちろんありませんが!

*2:はフランスの名前だな

*3:それがナレーションにもなる

*4:つじさんちゃんと聴いたのが初めてという…

*5:そりゃそうですよねー