きなこさんとはじめてのおるすばん

　R2C2のチケットも取っていなかった*1ので、今日は久しぶりにきなこさんに会いに行ってきました。いつぶりだろう、まだ寒かった頃だよな前回。きなこさんというのは伯母の家で飼っているミニチュア・シュナウザーの女子です。先日1歳になりました。1歳のお誕生日には、犬用クッキーでお祝いしたそうです。そうかもう1歳か！　大きくなったな！　風貌はすっかり老哲学者だけどな！

　何か深遠な思想に耽っていそうにも見えるきなこさん女子1歳。たぶん考えているのは、あれ食べられるかなぁとかそれくれないかなぁとかそんなことですが。
　ふかふかもしゃもしゃが特徴のシュナウザーですが、きなこさんはトリミングをさぼって汚れに汚れた挙げ句、ふわふわの足の毛が毛玉になりまくり、それを自らくちゅくちゅとしゃぶりまくり、そこら中の毛がフェルト状に固まるという事態になり、結果2mmのバリカンで全身を刈られ、ここ数ヶ月の間「…なにこの犬？　え、シュナウザー？　うっそだー！」状態に陥っておられたそうですが、2mmでカリカリになっていた足もじょりじょりだった背中もすっかり伸びて巻き毛復活し、いい具合にふわふわに戻っておりました。さすがに2mmの丸刈り時は…可哀想だったみたいだよ…わたし見てないけどさ…。良かった可愛くなってて！　ちょっと伸びすぎだけど顔とか！　もしょもしょでよくわかんなくなってるけど！！
　本日は、親戚の結婚式があるとのことで、伯母を始めうちの両親やら祖母やら総出でいなくなってしまい、留守番をさせると怒りと理不尽さのあまりご無体の限りを尽くすらしいきなこさんをひとりにしておくのはちょっと…という訳で、不肖わたくしめがご一緒にお留守番の命を受けまして。約6時間、きなこと二人お留守番するという大役を仰せつかりました。きなんぽ*2は朝のうちに済ませておいて（これはこれで、雨の日はお外に出たくないきなこさんをなだめすかして出かけるという大変な作業でしたが）（犬のくせに…！）、ご飯も食べて、あとは夕方みんなが帰ってくるまで、日がな1日遊んで過ごすだけなので、特に大変なことや困ることもなく、ひたすら…きなこと遊び、昼寝をし、（私は）昼ご飯を食べ、きなこはおねだり体勢で可愛く首を傾げたりし、そんな誘惑にも負けず何もあげず、お茶を飲み、きなこも緑茶を飲み*3、おやつを食べ、きなこにはあげず、でもおねだり体勢でお座り小首傾げの可愛いポーズを取り、負けて犬用クッキーを「待て」させてあげ、ボールで遊び、ボールで遊び、ボール以外でも遊び、昼寝をし、そんな6時間でした…。体力的には非常に疲れたがきなこ分は補充できてもふもふです。きなこもっふもっふ！
　ソファに座っていると、きなこがのしっ！とやってきて、何も云わず*4にわたしの膝の上にのしのしっと座り込み、具合のいい格好に落ち着いて、そのままそこで寝たりして…ああ、やっぱり何かいいなぁ犬…としみじみ思ってしまいました。7kgに成長したきなこさんは、私の膝には収まりきらず、どうにも頭が膝から下に落ちてしまうので、手のひらで頭を支えるようにしたら、そのまま寝返り打っても当たり前のように手の上に顎乗っけて寝るので、重かったです。が愛しいんだ。嬉しいんだ。バカなんだ。
　6時間のお留守番が終わり、結婚式を終えたみんなが帰ってきた時の喜びようといったら、ちょっとあなた今までのわたしとの数時間は一体何だったの！？！？とハンカチを噛みたくなる勢いでしたが、でもいい。あんな風に、全身全霊で一点のかげりもなく、魂そのもので「すき！！！」と突進してくる命、他にないもの。犬には犬なりの考えとか、浅いけど打算的なものとか、駆け引きっぽいこととか、色々考えてるんだろうなぁというのはあるので、真っ白に純真だとは決して思いませんが（笑）*5、でもあの瞬間のきなこの「だいすきー！！！！」には少しの嘘もなく、嘘のつけない小さいしっぽを千切らんばかりに振って、飛びついて舐めてくる黒いカタマリが、云いようのないほどに愛しく思えるのです。
　そして、帰ってきた父と伯父には速攻お腹を見せてきゅんきゅんし、母・伯母・祖母ついでに私には顔を舐めさせろと飛びついてくる辺りに、きなこ内ヒエラルキーの差を如実に感じさせられるのでありました。どーせわたしはきなこがしょーがなしに遊んでくれる、たまに来てウルサいおねーちゃん程度ですよ。一応おねーちゃんにしておいてくれてるだけマシですよ。