ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

青猫物語@シアタークリエ

 絶対台風直撃だと思ってたから、びちょびちょでも行く覚悟を決めていたのですが、起きたら明るいし鳥とか虫とか鳴いてるし、あれ〜? カーテン開けたら青空で、あれれ〜? でも良かったです。台風一過でちょっと蒸し暑い中、お濠や公園の緑が眩しかった。
 てなわけで、未來さんもコメント寄せた(笑)青猫物語を観てきました。ああ長かった、ずっと今日を待ってて、情報遮断の為に動画コメントとかも見ないようにしてたのです。やっと解禁だ〜!
 大したネタバレはございませんが、一応畳んでおきます。
 
 
 
 昭和8年、築地のカフェー「青猫」で繰り広げられる、演劇青年・八起と失業中で裏稼業中の踊り子・そらの、可愛くて甘くて切なくて焦れったくてジタバタしちゃう恋模様と、カフェーのマスター・ブルさんを始めとする二人を囲む人々、彼らに落ちる時代の影。かなりスラップスティックなコメディだけど、笑いの合間にじんわりするところや、きゅんきゅんするところ、ちょっとお腹の底が冷たくなるセリフなんかも挟まれていて、でも真の悪人はひとりもいない、本当に愛すべき可愛らしいお芝居でした。ほんっとに可愛いんだみんな! 愛しいんだ!!
 舞台セットは転換もなく、お話は全てカフェ青猫の店の中で進行するのですが、このセットがまた…レトロで可愛らしいったらないの…開演前から、点々と青いランプが灯っていたのだけれど、店の窓はステンドグラスで、両開きのドアの窓には猫がいて、飴色の木の階段に手すり、イスにテーブル、アップライトピアノの上にはラヂオ、譜面台には青い猫の表紙の楽譜、カウンターの脇には蓄音機。何かもう可愛いったらない…。そんな素敵な場所で、北村有起哉が縦横無尽にぐねりまくり、マスターがきたろうさんで、面白くないわけがない。とりあえず、初っぱなのブルさんにヤラれました…わぁちゃんとセリフ云ってる…!*1 しかもかっこいい…!! シティボーイズ見てる限り、いいかげんでテキトーでとてもダメっぽいおじさん、という認識にしかならないのですが、ちゃんとお芝居もするんだ…すみません何か、見てるのがシティボーイズミックスだの囚われつかじだのつかじの無我だの、いいかげんダメなアレばかりだから認識が偏っていました…ブルさん素敵だった〜。軽妙洒脱というか、いい感じの脱力加減というか。あんなマスターがいるカフェー、通うに決まってるよ!
 実は黒谷さんに関しては、これと云ってこう…期待もなく…という感じだったのですが。これがまた可愛いんだ…! そらちゃん! あっけらかんとしてて悪びれなくて、頭そんなに良くはないけど心根は優しくて、強かだけど憎めなくて、ああいうキャラクターって見ていてイラッとしそうなタイプなのに、それを全然イラッとさせずに、ああもうばか!って焦れったがりながらも応援したくなる、絶妙な尻軽カワイ子ちゃんでした…可愛いんだ…めちゃくちゃ云ってても可愛いんだ…*2。背が高くて、ヒール履くと有起哉さんとあんまり変わらないくらいなんだけど、さすがのスタイルでドレス姿は美しいし、イメージしてたのよりずっとずっと可愛らしくて、良いものを見せて頂いた気分でした。
 で、北村さんは、もう。これはハズさない。ひったすら可愛い、ちょっと切ない、わりとかっこいい…かも知れない。仕草の大小に関わらずどうにも可愛くって仕方ないのが面白いです…相変わらず大きな仔犬イメージだなぁ。グレコ的な格好良さはほぼ皆無でしたが*3 *4、八起さんの愛らしさは余すことなくぐねぐねと堪能させて頂きました。前半のそらちゃんとのラヴラヴ☆バカッポーぶりがまたね!! 二人まとめて可愛くてたまらんよ!! もうずっと二人で周囲置いてきぼりにしてアハハウフフキャッキャッとしてたらいいよずっと見ていたいよ赤い糸コントも一週間に8日も…。
 そんなバカッポーも色々困難ありまして。2幕がまた…相変わらず面白くて笑ってばかりなのに切ないんだ…。うっかり数回涙ぐみましたよ、元帥に敬礼とか…。あとラストのハッピーエンドが、ほんとにハッピーで大団円で幸せ気分でまたじんわりしたわ。紆余曲折長かったけど、…良かったねぇ二人とも…って、ブルさんと一緒に見守ってきた気分になりましたよ…。カテコでのお二人がまた、ハネムーンな感じでさ! 可愛いったらない! 二人でどっか行って来たらいいよ旅にでもさ! お幸せに〜!! カテコできたろうさんが、最後に眼鏡外してカッコつけるのも痺れましたよ(笑)。やだーかっこいいじゃないきたろうなのにー!
 あとは、えっと近江谷太朗さん! クマちゃん! がかっこよかったのべらんめぇの江戸っ子で、気っ風が良くて気持ちいいの。黒子姿も渋くて良かったけど、2幕のアロハシャツにサスペンダーぶら下げたのがまた素敵でしたよ。富田麻帆ちゃんも純朴な女学生で可愛かった、三つ編みにセーラー服が清楚で! 小須田さんはさすがだったし、女学校の寮監さんも面白かった…というかあの人が一番役者っぽいというか芝居がかったキャラクターだったんですが(笑)。帝大生の五郎さんも…良かったなぁ、チンピラだけでは終わらせないのが、愛に溢れたこのお芝居にぴったりで…ああ、元帥泣けるよ…しゃがんでればいいよ…。
 しかし思い返すにつけ、ドタバタ喜劇は本当に、計算され尽くした動きが必要なんですね…ひとつタイミングが狂ったら成り立たなくなってしまう動きばかりで、見てる間はおかしくって笑ってばかりだったけど、このタイミングで振り向く時にはこうなってなきゃいけない、みたいなのがかなり緻密に組み上げてあって、改めて…大変だなぁ、と思います。今。
 とにかく愛すべき良品でしたよ。みんな可愛かったよ。あ、ひとつわからないのは、2幕後半…途中の暗転から、カフェー内の額やポスターやピアノの上の楽譜や、そういうの全部が、上下逆さまに配置されてること…いや、ポスターはマスターが貼ってる時からだったけど、隣の額縁や楽譜や、何でそんなものまで逆さま?? 何か意味があるのかなー??と友達と話してたけどわかりませんでした。

*1:そんな!

*2:と思うのは私の性根がオッサンだからではないと思いたい

*3:ちょっと残念

*4:カッコイイ時はかっこよくなれるのに!