ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

週刊真木よう子「魔女がアタシを」

 昨日の晩に放送された週刊真木よう子の録画を、夕飯のぶっかけうどんすすりながら見ていたら、何だかたまらなく…良かった。長塚圭史さんがちょっとオネエ気味なクラブのマスターで出ていて、お姉ちゃんに鞭でびしびしされて喜んでいたのであらあらまぁまぁ(笑)と思ったりもしましたが、何かね…前半終了間際から始まった流れから、後半で、やたら何か…泣けました、んですよ。悲しい話でも可哀想な話でもなく、ちょっとじんわりするけど、とても優しいストーリーで、なのにボロボロ泣けてきてさ。何か、この前の阿佐スパ「失われた時間を求めて」観た時の泣け方と似ていて、悲しいとか可哀想とかそういう感情じゃない部分で流れる涙だったのですよ。愛し泣きですよ。もう何か…良いわぁタマランわぁ好きだわぁ、みたいなのでボロボロと。ちょっぴり切なくはあったんですが…泣きツボはそこではなく。
 米軍基地のある町。友人と車に乗っていて、老婆をはねてしまう真木ちゃん。その老婆は車に乗っていた友人の祖母で、ある日突然友人は、真木ちゃんに車いすの祖母を押し付けて短期のバイト?に行ってしまう。押し付けられた友人の祖母は扱いづらく困ったおばあちゃんで、真木ちゃんはほとほと困り果ててしまうのですが、働かず金ばっかせびる真木ちゃんの彼を叩き出してから、何となく二人の距離がじんわりと近づいて…みたいなお話でした。30分ない短い尺の中で、この「二人の距離が徐々に近づく」感じがすごく丁寧に描かれていて、基地のある町、という舞台設定もちゃんとストーリーに絡まっていて、しかも超低空で飛ぶ飛行機の爆音が、「抜け出せない日常」感をすごく醸していて、何というかコンパクトながらぎゅぎゅっと大事なエッセンスは全て詰まっている30分弱、でした。決してべたべたに優しいわけではなく、少し突き放したような醒めた感じは常にあって、その距離感がまたちょうどいい。後半10分ほとんど目から水が出てたわ…。ラスト、そうあってほしい!と思う場所にズバリとピタリとキたので、もう決壊。これすっごい好きだわ〜、今までの週刊真木よう子は見終わったら録画消しちゃったけど、これは取っておこう。
 で、エンドロール眺めてたら「長塚圭史」の名前が見えたので、…まさか。いやいや、圭史さんマスター役だったからそれででしょ。でも。と調べてみたら、やっぱり脚本も圭史さんでさー。どんだけツボなんだっていう話ですよ。ほーら血しぶき飛ばなくてもやっぱりツボなんだ、わかったよもう! 自覚した!
 ついでに、前々回の週刊真木よう子「蝶々のままで(ハート)*1」が脚本・演出・監督タナダユキだったのですが。これがこれでまた何というか…主人公が犯罪犯して旅に出て農家で働くロードムービーが好きなのでしょうかタナダ監督は。いやよう子と鈴子ちゃんは色々全然違いましたが。あ、可愛い子に農業スタイルをさせるのが好きなのかしら(笑)。これまた何というか、甘苦〜いラブストーリーで…苦い>>>>>甘い、くらいの甘苦さですが。あんなふんわりした雰囲気の綺麗な監督さんなのに、決して口当たりは悪くないけど実はかなりヒドいよね、というお話でした。何だろう、WOWOWのカムフラージュシリーズでも、たぶん「百万円と苦虫女」でもそうだろうと思うんだけど、「人生なんて上手くいかないもの」みたいな、何かこう裏目裏目になってしまうような、そういうものを描くのが好き…得意? 描きたい? な方なのかしらね。
 しかしこの2作続けて観ると、女より男の方がよっぽどロマンチストなんじゃない?と思えて仕方ないです(笑)。長塚さんロマンチストだよなぁ。

*1:ハートマーク出せない