ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

事後承諾結婚式

 本日、めでたくも我が愚弟殿がお嫁さんを貰いました。結婚式でしたー! 本当は犬顔のチケット取ってたんだけど…いや文句は云いません。罰ゲームあったみたいですが文句は云いませんよ! おめでとう良かったね!!
 会場到着次第いきなり、新郎の両親*1が電車に衣装一式全て入れたハンガーケースを置き忘れるというあり得ないハプニング勃発で、顔面蒼白になりました。波乱の幕開けです。何だか呆然として立ち尽くす両親を前に、とりあえずJRの忘れ物センターの電話番号を調べ、問い合わせし、探してもらいつつ式場の担当プランナーさんに事情説明、提携店で貸衣装の手配ができないかお願いして、携帯にJRから連絡が入るのを待つ、まで私がやりました。全部。私は忘れていないのに!*2 ひとのトラブル時にはわりと冷静に対処できます。が自分がやらかすと大パニックでしゃがみ込みます。
 そんなこんなをやりつつ、頼まれてた受付もして、バタバタしていたら、貸衣装一式が届いて何とか事なきを得ました。よかった…そんな思い出作りはいらないよ…。忘れ物はその時点では発見されず。
 式は人前式でした。参列者が全員、ふたりの結婚を認めます、とサインするのです(受付時に)。式では両家父親が代表して壇上でサイン。感動的なんですがアットホームかつ大変和やかムードで、号泣マスカラ涙だらだらを覚悟で行ったけど何とか持ちこたえられました。そしてメインカメラマン新郎。プロのカメラマンさんを頼まなかったので、俺のニコン大活躍です。三脚立ててレンズ覗きつつフォーカス合わせる新郎。結婚式はいくつも出席しましたが、新郎がこんなに働くお式は初めてです(笑)。
 新郎新婦とも、楽器職人系のお仕事なので、ウェルカムボードもヴァイオリンの裏板でした。みんなでそれに寄せ書きしたのです。で、楽器職人系なふたりなので、普段指輪をすることができません。というわけで指輪の交換はナシ、潔い。代わりに交換したのが何と。
 ナイフ。


 叫びの息の根を止めないで下さいよ!…じゃなくて。お仕事に使うナイフを贈り合い、ました…え、結婚式に自ら刃物贈り合う新郎新婦って!(笑) すげぇ、切っても斬っても切れないご縁、てことか! よっぽど自信があるようです、いいぞいいぞ! リボンで可愛らしく飾られ、素敵なケースに収められた、ナイフを笑顔で見せ合う新郎新婦。何だこの結婚会見(笑)。リボンで可愛いんだけど、いくらリボンで可愛くてもナイフです。鋭利な刃物です。面白いよこの夫婦。あとはサプライズで先日一緒に悩みに悩んだネックレスもプレゼント。びっくりしてくれて本当によかった!
 それからレストランに席を移して披露宴です。ささやかですが。ここでも新郎カメラマン大活躍。センターひな壇席には常にニコンが、そして列席者に向かいシャッター切る切る。新郎働き過ぎです。あなたが座らないと落ち着かないじゃない!*3
 参列者インタビューがあったり、新郎新婦ご挨拶のノープランっぷりに手に汗握ったり、それでも真っ当なスピーチをする弟が少し新鮮だったり、新婦ご友人の涙ながらの「私の大事な親友なので、絶対幸せにして下さい!」にもらい泣きしたり、フランス料理は美味しかったり、よちよち歩きの甥っ子姪っ子ちゃんが可愛かったり、叔父が歌ったり、姉がブーケを貰い損ねたり、恒例のくまちゃんプレゼントがあったり、総じて楽しいお式でした。そして式も終盤に差し掛かり、新郎新婦ご両親にくまちゃんプレゼント*4も無事終えて、最後の最後に新郎挨拶で、「最後に云っておかなくてはならないことがありまして。お義父さんの●○さん、ころちゃん(仮)(新婦ちゃん)との結婚をお許し頂き、本当にありがとうございました」…って! え、今それ!? この時点で云うことか!? 今ダメって云われても困るぞ!? むしろ事後承諾じゃないか!? せっかくのくまちゃんプレゼントでうるるんモードだった会場が、一気に笑いの坩堝と化してふたりの結婚式はお開きとなりました。とても素敵なお式だった、けど何か面白かった!
 忘れ物は無事、某駅に届けられ、お式の後に父上が回収の旅へと出ました。あーもうお疲れ様だよまったく!

 

 ここで云っても本人には伝わらないのですが。伝わらないから云うのですが。
 趣味も好みも近くて、映画見に行ったりライブに行ったり本やCDやDVDの貸し借りをしたりお茶したり、かなり仲のいい方な姉弟でした。弟は、セカチューな時代の頃に、律子ちゃんよりずいぶん下な歳で、白血病ならぬ悪性リンパ腫という小児ガンを煩い、小学校低学年にしてかなり過酷な入院・闘病生活の結果、地獄の淵にタッチしてよろよろ帰ってきた人間です。抗ガン剤と放射線治療の副作用に耐え、脊椎注射も我慢しながら、それを恨んだり泣き言を云ったりは決してしなかった、多分ものすごくデキた人間なのだと思います。姉バカですが。でも尊敬してる。やっとのことで退院しても、身体はボロボロで体重も戻らず、勉強も置いてかれて、でも学校の先生方にはとても恵まれて、留年することなく卒業もできて。それでも、辛いことばかりだったと思うのです。楽器製作の専門学校に進んだことによって、世界で一番素敵な奥さんを見つけることになったけど、彼女ちゃんはまた何か妙ちくりんなストーカーにつけ回されたり、それを弟がすごいがんばって撃退したり、どうしてそんなにあなたの人生は波風ばかりなのか。それでも、何かいつも飄々としてて、冷静で、少々老成し過ぎな感もあれど、過酷な人生をみじんも感じさせない。色々、本当に色々、辛いことが多かった人生前半だけど、きっとこれから取り返せる、いやもうおつりが来ちゃうくらいハッピーなはず。あんなに可愛くて、美人さんで、キュートで素敵なお嬢さんがお嫁さんになってくれたのがきっと、その始まりなはず。なのでこれから、この先、しっかり取り返して幸せになれ。ナイフ贈り合う自信で、なれ。
 お嫁ちゃんにも本当に感謝です。あんな変なひとと一緒になろうなんて思ってくれて本当にありがとう。アレとずっと一緒にいてくれて、この先もずっと一緒にいてくれる覚悟をしてくれて、本当にありがとう。重々承知だろうけど、私よりずっと理解してくれてるだろうけど、変な人だけどとても面白い人間だし、口は悪いけど根はすごく優しいし、何というかユニークなひとです。どうか、ずっと一緒にいてやって下さい。アレのこの先をハッピーにするには、あなたが必要です。で、あなたの未来をハッピーにする為に、アレが必要だったら嬉しいです。よろしくね。お願いね。
 結婚してもたまに遊んで下さい。弟抜きでも遊んで下さい。ジュニアの誕生なんて云われたらちょっと狼狽えそうだけど(笑)*5、それも楽しみだわ。その時はどうかお嫁ちゃんに似ますように!

*1:つまりうちのパパンママン

*2:着て行った

*3:@ローズ

*4:テディベアで生まれた時の体重と同じ重さに作ってある例のヤツです

*5:文字通りの伯母さんになってしまう!