ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

血の婚礼 クロス7広げ目

 おお、折り返してしまった。その割に疑問点は解消されないし、構成もセリフも歌詞も入ってないし、いろいろわかってないし…私の脳ミソのつるつる具合が進行したのか、この舞台が難しいのか、どっちも相乗効果か。何にせよ今日も残念な結果でした…。
 ソワレ観て来ました。何か…観る度に印象が変わるし、セリフのタイミングや立ち位置、テンションも乗せられる感情も違うし、同じセリフでも受け止め方や伝わってくる気持ちがその都度違っているので、その辺も余計に…まるまる頭に入れにくい、のかな。その代わり、毎回新鮮な印象を受けることができる。毎回違うふたりを見られる。何回見てもハラハラしてしまう…*1
 ソワレのレオナルドは、いつにも増して苛立ちと焦燥を隠さない、剥き出しの神経をひりひりピリピリ尖らせた感じでした。ちょっと怖かった…(笑)。テーブルは乱暴に、片側だけガタン!とさせて軽いちゃぶ台返しだし、「私こんなの耐えられない!」と嘆く妻に対して云う「俺だって」は突き放したように離れたまま云い放つし*2
 頭働かないので畳んで箇条書きします。長い日本語が考えられない〜(笑)

 
 

  • レオナルドのたてがみ(ちょろ毛エクステ)がなかった! 確かに後ろ髪伸びたけど…可愛かったのになぁたてがみ…。
  • 花嫁の母が、血の広がる大地に身を投げ出し、血を吸った砂を舐めるシーン。照明が一瞬…途中で明るくなって、すぐに血の映像に戻りました。びっくりした…。
  • 黒い男と母親の昔語り。上手奥で引き離されるレオナルドと花嫁の姿、花嫁が去った後に力なく座り込み、最後の彼女の温もりが残る手を見つめるレオナルドの横顔が、哀しくて美しかったです。
  • ていうかレオナルド、やたら横顔の鼻筋が際立って美しいなぁと毎度思っていたのですが、長めの前髪効果ですかね。前髪の陰から突然現れる真っ直ぐで細い鼻梁…うっとりする(笑)。
  • 通称「馬メンコ」*3。舞台上手側でひらりと飛び上がり、片膝を着いて着地するジャンプが…凄かった。ふわり、て浮いた。あの人宙に浮けるんだ、と思った。重力に縛られない自由な身体。地に繋がれ、圧し殺した自分を馬を駆ることでまぎらわすしかないレオナルドを演じながら、森山未來の肉体はどこまでも自由だ、と唐突に感じた瞬間でした。
  • 帰宅したレオナルド。「あいつら要領悪いんだ、小麦の目方量るのに時間かかってかかって」…云った、2回云った! だりやさんほんとだー!!*4
  • 今日、観劇後に友達といろいろ検証(笑)してたのですが、レモン水を飲みながら妻のいとこの結婚が決まったことを「知らない」と云うレオナルドの、「知らない」は嘘だろう、と云われて、軽く目から鱗がはげました。ああ! 知ってたのに知らないって云うか、云うかも! レオナルドはストークしてるし!
  • それに伴い、レオナルドの妻に対する態度が硬化したのも、花嫁の結婚を*5知ってからじゃないか、という説を聞きまして、鱗2枚目。確かに、結婚当初からあんな態度(笑)だったら、妻は「幸せだった、何もかも手に入れた気がした」とは…云わないだろうなぁ。二人目妊娠も、そこまで「何て野郎だ!」とは思わなくて済む…*6。「私達一体どうしちゃったの!?」という妻の言葉は、結婚2年目にして豹変した夫に対するもの、ですよね…。それまではレオナルドも、馬が勝手に行っちゃって忘れられなくても、それなりに何とか妻を愛していられたんだろうなぁ。
  • またなみなみと注いだレモン水2杯目。表面張力(笑)。盛大にこぼしながら階段に座ります。
  • テーブルガタン。ちゃぶ台返し(笑)で怯える少女が可哀想なくらいの迫力でした。薔薇の透かし模様は内側。
  • 妻を突き放し、舞台奥へ行くレオナルド。母親と共に消える妻の向こうを横切る時の歩き方が、足を叩きつけるような怒った歩き方でびっくりしました。前見た時は普通に歩いてたのに!
  • そのまま、ハケる二人を睨み付けるように見つめるレオナルド。何か、花嫁ストークって印象じゃなかったなぁ…。
  • 花嫁の幻想のレオナルド。下手から飛び出してくる時の姿が、すんごい背中反ってて…一瞬、白い鳥みたいだった。
  • 支度中の花嫁の元に現れるレオナルド。何か…全体的にいろいろ違う!と思ったんだけど…セリフ回しとか、激昂するタイミングとか…具体的に覚えてないけど…。
  • とりあえず、怖かったです。あんな風に怒鳴りながら詰め寄られたら(しかもどうにもしようがないことで!)、花嫁じゃなくても泣き崩れます。
  • ジャケット投げは上手奥方向、ハケる方へ向けてでした。そして退場する前に一瞬、目を泳がせてジャケットを探すレオナルド(笑)。
  • 妻の手を握りながら虚ろに花嫁を眺めるレオナルド。見つめる、まではいかない、ぼんやりとした視線を送っているように見えた。
  • 不安に駆られる妻を抱きしめながら、冷めた目をしているレオナルド。…いくらレオナルドが可哀想になっても、やっぱりどうやっても妻の可哀想さは薄まらないや。
  • 宴の支度をしながら、くるくる回るよ回る、水車回る、と歌う女中が、歌い終わって椅子に座ってから一瞬、ひどく寂しそうな顔をするのに気づきました。花嫁のそばにいて、おそらくは母親代わりだったり姉代わりだったり、時には親友だったりしたであろう女中にとって、彼女の婚礼は何よりも喜ばしく、何よりも寂しい出来事、だったんだろうなぁ。
  • 宴が始まる。常にレオナルドの姿を探し、気にしている妻が哀しい。宴の輪に決して入ろうとはせずに独りでいるレオナルドも哀しい。
  • 夫婦メンコ(めおとめんこ、と読みたい)は何だか、唯一にしてほんの一瞬だけど、レオナルドと妻が少しだけ楽しそうで…ちょっとだけ嬉しいです。が抱き合って踊るレオナルドの視線は花嫁に注がれる…。
  • レオナルドの馬がない、と聞いた花嫁の表情が、はっとしたように固まるのを見て、ああ、この瞬間に花嫁の心は黒い風にさらわれてしまったんだ、と思いました。それまで揺れてはいたけど、花婿の母親に「泊まっていかれるのでしょう?」と云ったりして、何とか自分の胸に起こった波風を静めようと努力していたのに。あの言葉が、花嫁の心の天秤を大きく狂わせたんだな、と。
  • 「あなたはいつも馬に乗って、何だってできるんでしょ」…花嫁にとって馬を駆るレオナルドは、解き放たれた自由の象徴だったのかな、とか。婚礼によってより強く縛られた花嫁から見たら、馬に乗ってどこへでも行けるレオナルドは正に自由の証。例えそれが、やり場のない焦燥感や苛立ちから逃れる手段でしかなくとも。
  • 逃げる二人と交錯する人々。根岸さんとちょっとヒヤッとした! ぶつからないよう気をつけてね!
  • 月を見た花婿、今日は「…何をしてる…?」と呟きました。彼が見たのは少女なのか月なのか、それとも別の女性なのか。
  • 月に憑かれる前は、激情に駆られていた花婿。月に憑かれ、導かれた先に二人の姿を見つけた彼の目には、静謐なほどの殺意がただゆらめくだけ…。
  • 森の中の二人。今日はずいぶん、激昂したり、すっと引いたり、囁いてみたり、セリフのレベルがバラエティ豊かな感じでした。えっ、そこそんな風に云うの!?と何度か思った。…けど忘れた…。
  • 立ち位置も何だか新鮮で。今まで割と抱き合って云っていた印象の強いセリフ(「…行って」「お前が先だ」とか)が、上手と下手にすごく距離を取ったまま云われたりしていて、ドキドキしました…え、「ふたり一緒に」はくっつくんでしょ、間に合うの??って。
  • 夜が死んでいく、の前に「チクショー!」絶叫。それから膝折って踞り、額を床にゴチン、と…赤くならないか心配になりました。大丈夫だったけど。
  • 離れようとする花嫁のスカートを鷲掴むレオナルド。スカート破れちゃう!
  • 激情に駆られ自らのシャツの胸元を引き裂くレオナルド。…ビックリした…息のんじゃったよ…そういうことになったんですか? それならそれで…いただきます*7
  • しかし品川庄司のどっちか的な胸筋誇示っぽく見えないこともなく。…すみません正直ちょっと面白かった…。
  • 「月の光が俺の腹とお前の腰を溶け合わせてしまった、もう離れることはできない」の前、嫌がる花嫁を無理やり後ろから抱き締めて、「お前もだろ、な?」と云うレオナルドが…もんっのすっっごい幼いというか、駄々っ子というか、な声と云い方になってすごく驚いた。むしろ彼女とイチャイチャしながら幼児化しちゃうバカツプルの彼氏さんみたいだった…。
  • 何とか「一緒に」でくっついて、そのまま濃厚に絡むふたり、そこへ現れる花婿。…なのに、花婿来てから花嫁を押し倒し、胸に顔を埋めるレオナルド…しかも全然離れない。見てるこっちがヒヤヒヤします!
  • ていうかソニンちゃんのナイスバディな胸に顔を埋めまくる未來さん…うらやまし*8…じゃなくて、ソニンちゃんファンの皆様に怒られそうで…すみませんすみません大事なお嬢さんに!と…だいぶ申し訳ない気持ちになりました…熱演中だから下心とかはないんです多分…きっと…おそらくは…*9
  • さんざん見せつけてから、やっと花嫁から身を起こすレオナルド。…ナイフありましたよ…良かった…!
  • やっぱり、今日観た印象では、花嫁のラストの純潔主張は…半分くらいは保身にも聞こえました…。保身というか、殺されるにしても、自分の名誉の為というか。残された生は、女としての役を果たさない、無価値な人間として、共同体の隅っこで生きるしかない、という状況自体は変わらないけど、少なくとも夫となるはずだった人以外の血も交ざってはいない、裏切ったけどそこまでは裏切っていない。それが彼女を支える最後の砦になっているのかな、とか。
  • ラストの、江波さんのテンションが大変好みでした…かっこよかった…。それまで、「花婿の母親」の顔で、「花婿の母親」の言葉を口にしていた江波さんが、ふ…と一度目を閉じて、再び開いた時には、顔も口調も「花婿の母親」という個人を超越した、この悲劇の語り部、大地に生きる女たちの長、そんな存在に変わっていた。鳥肌立ちました…。
  • 血に染まった大地に身を伏す女たち、真紅の花びらが舞う中をゆっくりと歩く死んでいった男たち、そんな人間たちの哀しく矮小な姿を、上から見下ろすように眺める月と黒い男。このラストの美しさは、本当に…何度観ても毎回、ゾクゾクします…。
  • カーテンコールは3回…実質2回かな。裂けたシャツでフラメンコ、見られた! 正直嬉しい!(笑)
  • カテコメンコが日に日に自由度を増していくのが楽しい。アレンジできるくらい、メンコが掴めてきたのかな!
  • 襟元が破れたせいでメンコ中にどんどん右肩が下がる。結局鎖骨全開のいろいろモロ出しで…えらいセクシーメンコになりました…ありがとう!
  • ハケる際でひとりでお辞儀。定着したようです。が終わらなくもなった(笑)。
  • メンコ後に拍手に呼び出された未來さん、ソニンちゃんと二人でセンターに立ってからみんなを呼んで、みんなでお辞儀。ハケる時、舞台上に残っていた赤い糸玉を蹴ってしまった影山さんの、ちょっと慌てた様子がお茶目でした(笑)。
  • 拍手鳴り止まず再度舞台が明るくなります。照れたような笑顔で出てくる未來さん、可愛ーい!
  • 手をつないでお辞儀しようとするけど、未來は隣の渡辺さんがギター持ってて片手つなげないし、お辞儀はタイミングばらばらだし(笑)。でも、ハケながらにこにこで後ろ頭に手をやる姿は…芝居の印象を上書きする勢いで可愛かった…。
  • やっぱり糸玉を気にする影山さん、スカートの裾をヒラッヒラさせてちょっとメンコみたいにしながら、何度も手をふるソニンちゃん、とってもとってもキュートでチャーミングだった! ときめいた!(笑)
  • 影山さんと糸玉でまた笑いが起こる客席を、なに?と笑顔で軽く振り返りつつ消えていく未來さん、なにやってるんですか〜っぽく影山さんの背中を叩こうとするソニンちゃん。めっぽうかわゆいカテコで締め括られた本日ソワレでした〜。

*1:のは良くも悪くも、だけど

*2:そこはそっと肩に触れて云い放つと、ヒドさが際立って良いのですが

*3:いろいろ略し過ぎ

*4:私信

*5:おそらくはストーク中にでも

*6:思ってましたよええ

*7:合掌

*8:未來が

*9:役得☆とか思ってたりして…/笑