ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

売り言葉/エンドゲーム

 BSの日曜深夜にやっている、舞台番組が最近とても楽しいです。
http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/
 昨日は野田秀樹/大竹しのぶの「売り言葉」、その前はナイロン100℃の「ハルディン・ホテル」、その前は遊園地再生事業団の「モーターサイクル・ドンキホーテ*1。なかなかチケット買って舞台見に行くのは大変だけど、テレビでやるなら特に興味なくても観てみようと思うじゃないですか。気軽に。そんな感じで観ています。きっかけはいつだったか、明け方にもの凄い雷雨になった日だったんですが、劇団、本谷有希子の何か(ほんとに偶然だったので何だかもよくわからなかった)をやっていて、途中から見始めたら面白くてずっと見てたんですが…結局途中で雷雨のせいで衛星映らなくなっちゃって、話もどうなったのかわからなければ何て作品で誰が出てたのかもさっぱり、という…アレ気になるなぁ(笑)。…今調べたら「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」でした。あああの雷雨恨めしい。
 来週は粟根まことさんご出演の「BIG BIZ」でまた楽しみ!
 「売り言葉」は大竹しのぶさんの一人芝居で、智恵子抄の智恵子、高村光太郎の妻・智恵子の生涯を綴る…壮絶でした。すごかった…。大竹さんが凄いのはわかってたけど、一人芝居の凄さを…生で観たらさぞかし…。女子高等学校入学から死まで、少女から妻、芸術家、狂気と正気の狭間、女中と智恵子、全てをひとり、ひとつのからだで演じきる。キュートで凄絶。力強く脆い。
 高村光太郎が綴った智恵子への愛の証、という位置づけで読まれる*2智恵子抄」への売り言葉、という芝居でした。何か…目から鱗がはげました…*3。そんな風に思って読んだことなかった…けど、確かにそうだよなぁ、と。光太郎視点でしか読んだことなかった智恵子抄、読み返したらまるで違うものに見えてきそう。光太郎…ひどい男だ…。「選ぶ」と「LOVE」を重ねていく、いかにも野田秀樹的な台詞回しも面白かったです。すごい引力の舞台でした。
 あと、NHK教育でやってたサミュエル・ベケットの「エンドゲーム」も観たのですが、面白いというかとってもサミュエル・ベケットで、途中うっすら記憶が途切れました(笑)。
エンドゲーム
 柄本明さんのセリフがすいません聞き取りにくくて…最初大変でした。手塚とおるさん、すごかった…怖くて悪くてイジワルで優しくて寂しくて魅力的で悲しかった。1時間半くらいの、決して長くはない一幕の芝居でしたが、完全に出ずっぱりで大変だろうなぁ…。辻褄が合ってるのか合ってないのかというか成立してるのかしてないのかわからないくらいの会話が延々と続く舞台でとても不条理感もくもく、でもその不条理感をこそ楽しむもんなのかな。実は「ゴドーを待ちながら」をちゃんと観たことがないのですが観てみたくなりました。…テレビでやってくれないかなぁ(笑)。

*1:だったかな?

*2:ことが多いと思う多分。私はそう思ってたしそれはある方向で間違ってはいないと思うけど

*3:北村inトリック的